永遠の愛を誓って結婚したパートナーでも、一緒にいると辛いことありますよね。

本記事では、夫婦で共依存状態になるとどうなるのかについて詳しく解説します。
共依存を疑っている人や、依存の原因や危険性・克服法を知りたい人は参考にしてくださいね。
夫婦で共依存状態になる原因とは?
共依存とは、元々は1970年代のアメリカでアルコール中毒の夫を支える妻との複雑な関係やあり方を指す言葉でした。
現代では意味が広がり、お互いに依存し合う関係のことを指します。
共依存は夫婦・恋人同士・親子関係や職場などの身近な関係で発生しやすいのが特徴です。
では、なぜ夫婦で共依存状態になるのでしょうか?
4つの理由があります。
- 子どもの頃に愛情を受けなかったから
- 自己肯定感が低く自分に自信がないから
- 極度の寂しがり屋で依存体質だから
- 心配性で不安になるから
詳しく説明します。
子どもの頃に愛情を受けなかったから
共依存状態になる原因は、子どもの頃に十分な愛情を受けなかったからと言われています。
子どもの頃の家庭環境が子どもの成長に不十分であったり、子どもが安心して過ごすことのできる環境ではなかったりすることで、十分な愛情を受けられずに成長してしまうのです。
家族から無条件に愛される経験がないと、愛情を知らないため、大人になって共依存の関係に陥りやすくなります。
自己肯定感が低く自分に自信がないから
自己肯定感が低く自分に自信がないのも共依存状態になる原因です。
周りから褒められることなく、否定されて育つと自己肯定感が低くなり、自分に自信がなくなります。
自分に自信がないと、周囲の顔色や周囲の意見に合わせてばかりになりがちです。
周囲から頼られたり評価されたりしないと自分の価値が見いだせないため、自分の価値を見出してくれると思った人との共依存状態が生まれるのです。
極度の寂しがり屋で依存体質だから
極度の寂しがり屋で依存体質だと、共依存状態が生まれる場合があります。
常に夫や妻がそばにいないと、寂しくて何度も電話をかけ何通もメールを送ってしまう人も中にはいるでしょう。
電話やメールを受け取った側は仕事も手につかなくなり、自分たちだけでなく周囲へも迷惑をかけてしまいがちです。
極度の寂しがり屋で依存体質の場合、寂しくて依存する人と依存する人を助けようとする人の構図が生まれてしまい、互いの関係は改善せず共依存状態を生み出すのです。
心配性で不安になるから
心配性で不安になる人も、パートナーとの共依存状態になりやすいタイプといえるでしょう。
心配し不安になると、相手に細々としたことを口出ししてしまいたくなることもありますよね。
はじめはただの心配でも、徐々にパートナーの生活のすべてに口出しするようになり、最終的にはパートナーを支配してしまうことも。
パートナーが少しでも反抗をする姿勢を見せると、暴力に走ってしまうケースもあります。
自分の心配や不安・暴力をパートナーが受け入れてしまうと、共依存状態が深刻さを増していくのです。
夫婦で共依存状態になってしまうとどうなる?
夫婦で共依存状態になるとどうなってしまうのでしょうか?
- 本当の自分がわからなくなる
- パートナーが生きがいになってしまう
- モラハラやDVが起こりやすくなる
- うつ病など心の疾患を患う可能性も
詳しく説明します。
本当の自分がわからなくなる
夫婦で共依存状態になってしまうと、本当の自分がわからなくなります。
自分の考えややりたいことを考えず、パートナーの気持ちややりたいことばかりを考えてしまうからです。
価値観をすべてパートナーにゆだねてしまうため、「パートナーが言ったことが正しい」と思い込んでしまうのです。
家族や友人が助言をしたとしても、パートナーの価値観や言動を優先してしまう場合がほとんどでしょう。
本当の自分を見失い、パートナーの価値観で生きるようになるのが共依存の特徴です。
パートナーが生きがいになってしまう
パートナーが生きがいになってしまうのが、夫婦の共依存状態です。
パートナーと仲が良いのは良いことですが、行き過ぎると常に二人きりでいることを良しとし、家族や友人と言った親しい人からも孤立してしまいます。
パートナーが残業で帰りが遅くなったり友人と遊びに行ってしまったりすると、強い孤独感や不安感を覚え、パートナーに何度も電話を掛けたり何通もメールを送りつけてしまったりすることも。
パートナーの行動を愛情ゆえ常に監視し、一緒にいようとします。
パートナーが関係を改善しようとしても、「パートナーに捨てられるかもしれない」という不安から、なかなかうまく改善されないのも特徴的です。
モラハラやDVが起こりやすくなる
夫婦の共依存状態は、モラハラやDVが起こりやすい状態です。
はじめはパートナーを心配していただけかもしれませんが、パートナーが自分の心配を受け入れてくれたことで、今度はパートナーを自分につなぎとめようとするのです。
パートナーへの束縛や独占欲はやがてモラハラ・監禁などにもつながるほか、パートナーの思考力を奪い、最終的にはDVに至ることも。
モラハラやDVを受けている側はショックを受けながらも、「原因は自分にあるのでは?」「この人は本当は優しい人なのに」「自分がいないとダメになってしまうかも」と考えてしまいがちです。
モラハラやDVを受けている側も自分を責めてパートナーから離れることできず、関係がどんどん悪化していくのです。
うつ病など心の疾患を患う可能性も
夫婦の共依存状態では、うつ病や心の疾患を患う可能性もあります。
そもそも共依存が「関係性の病」と呼ばれており、共依存がきっかけで精神的な病気を引き起こすケースが多く見られます。
パートナーの愛を試すようなふるまいをし、受け入れられないと非常に落ち込んで病んでしまうことも。
パートナーは、心配することで精神的な改善や自立を期待しがちです。
しかし、共依存の場合はパートナーの愛をさらに試そうとするのが普通です。
そのため、支える側も次第にうつ病などの心の疾患を患う可能性があります。
夫婦で共依存状態から抜け出すにはどうすればよい?
夫婦で共依存状態にあると気づいたらどうしたらよいのでしょうか。
共依存状態から抜け出す方法が4つあります。
- 共依存夫婦だという現実を認める
- 物理的にも精神的にも自立する
- 夫婦でカウンセリングを受ける
- 別居・離婚を視野に入れる
詳しく説明します。
共依存夫婦だという現実を認める
共依存夫婦だという現実を認めることが、共依存状態から抜け出す第一歩です。
とはいえ、共依存体験記などを見ると、共依存夫婦が自ら共依存だと認識することはほぼありません。
共依存夫婦に共依存だと知らせて注意してくれるのは、家族や友人などの親しい人たちです。
親しい人たちから注意されたり、貸してもらった本を読んだりした結果、「自分たちは共依存夫婦だ」ということに気づくケースが多いようです。
夫婦そろって共依存だと気づくには時間も気力も必要でしょう。
しかし、どちらか一方でも気づければ、克服の第一歩を踏み出しやすくなります。
物理的にも精神的にも自立する
夫婦共依存状態から抜け出すには、物理的にも精神的にも自立する環境を意識的に作るのが効果的です。
依存関係だと、互いの息遣いを感じる距離にいないと不安を感じるかもしれません。
共依存状態から抜け出そうと考えるなら、家の中でも一人で自分の好きなことをしたり、パートナー抜きで友人と出かけたりする時間を作ってみましょう。
パートナーと離れて時間を過ごすときには、スマホの電源を切るか側に置かないようにして、パートナーから意識をそらすことも大切です。
はじめは辛いかもしれませんが、徐々にパートナーとの距離をとるようにしていくと、物理的にも精神的にも自立できるようになるでしょう。
夫婦でカウンセリングを受ける
夫婦の共依存状態から抜け出すために、夫婦でカウンセリングを受けましょう。
自分たちで共依存状態を克服するのは簡単ではありません。
カウンセリングを受けて、第三者の意見を取り入れたり、専門的な治療を受けたりするのがおすすめです。
カウンセリングを受けるときのポイントは、「夫婦で受ける」ことです。
どちらか一方だけが、共依存状態に気づいてカウンセリングを受けたとしても、共依存状態のパートナーがより依存してくる可能性があります。
時にはカウンセリングをすすめた人やカウンセラーを強烈に敵視することも。
はじめは一人でカウンセリングを受けたとしても、やがては夫婦で受ける方向に切り替えていきましょう。
別居・離婚を視野に入れる
別居・離婚も、夫婦共依存状態から抜け出す方法です。
荒療治的ではありますが、別居・離婚によって物理的・精神的に距離をおくと、共依存状態を断ち切り夫婦関係以外の世界に目を向けやすくなります。
ただし、パートナーが共依存状態を自覚できないうちに別居・離婚を切り出すと、大きな反発とさらなる依存を招く可能性があります。
別居・離婚を視野に入れるのは、カウンセリングを受けても改善の見られない場合の最終手段と考えましょう。
まとめ
本記事では、夫婦で共依存状態になるとどうなるのかについて解説しました。
永遠の愛を誓って結婚したパートナーなのに、一緒にいると辛いことありますよね。
辛い状況を何とかしようとしても、かえって悪化してしまうことも。
共依存を克服するには、いくつかの重要なポイントがあるのです。
共依存を疑っている人や依存の原因や危険性・克服法を知りたい人は本記事を参考に、パートナーとの良好な関係を築いてくださいね。
コメントを残す