肩こりや首こりを、マッサージなどでしのいでいる方は多いのではないでしょうか。
しかし、中には肩こりや首こりが原因でうつ病になってしまうケースも。
本記事では、肩こりうつの正体と原因を詳しく解説します。
肩こりや首こりがある方は参考にしてください。
肩こりかもと思ったら実は首こりかも!
肩周りのこりはすべて「肩こり」と考える方が多いのですが、実は「肩のこり」と「首のこり」はまったく違うものです。
肩や首のこりには、実は首から肩、背中にかけて大きく広がる筋肉である「僧帽筋(そうぼうきん)」が大きく関わっています。
僧帽筋は首から肩・背中にかけて大きく広がる筋肉で体の最も表層部分にあり、鎖骨や肩甲骨を動かす役割を担うものです。
肩こりは下部僧帽筋の緊張により生じ、首こりは頭に近い上部僧帽筋の緊張により生じる症状です。
首こりは他に、後頭下筋群(こうとうかきんぐん)と頭・頚板状筋(けいばんじょうきん)などの筋肉が関連しています。
頭を支える非常に重要な筋肉ですが、常に頭の重さを支えて負担になっているため、首こりを引き起こしやすいのです。
肩・首のこりが引き起こす『頚性うつ』とは
肩・首のこりが引き起こす『頚性うつ』とはどういうものなのでしょうか。
- 首の筋肉の異常が「頚性うつ」を引き起こす
- 通常のうつ病との違いは「理由のない悲しさ」の有無
- 通常のうつ病の治療では効果がみられないことが多い
3つの観点から解説します。
首の筋肉の異常が「頚性うつ」を引き起こす
肩・首のこりが引き起こす『頚性うつ』とは、首の筋肉の異常が 『頚性うつ』を引き起こすことです。
首の筋肉のこりがひどくなると、自律神経に影響し、副交感神経の働きが低下します。
首の筋肉の異常が原因で不定愁訴(原因不明の体調不良)を発症し、さらに首の筋肉の異常が「うつ」を発症させるのです。
頚筋性うつは「頚性うつ」あるいは「首からうつ」ともいわれています。
通常のうつ病との違いは「理由のない悲しさ」の有無
肩・首のこりが引き起こす『頚性うつ』と通常のうつ病との違いは、「理由のない悲しさ」の有無です。
通常のうつ病では、「理由のない悲しさ」のためいつも涙をためていると言われていますが、『頚性うつ』ではいつも涙をためているということはありません。
通常のうつ病の患者は首に異常があるとは限らず、治療を行っても抑うつ状態は和らぎません。
通常のうつ病の治療では効果がみられないことが多い
肩・首のこりが引き起こす『頚性うつ』は、通常のうつ病の治療では効果がみられないことが多い傾向があります。
あちこちの診療科へ行き精密検査を受けても、体に異常は見つからないためです。
結局、心の病気だろうということになり、心療内科で抗うつ剤を処方されるケースも多いようです。
しかし一時的に症状を抑えることしかできず、いつまでもつらい症状から解放されません。
不定愁訴の症状の多くは首に原因があり、適切なケアをすれば意外と短期間で治ることがわかっています。
しっかりとした医療施設で検査を診察・検査を受けて「異常なし」と診断されても、さまざまな体調不良が続くのであれば、首こりによるうつ病が疑われます。
(参考URL:https://tokyo-neurological-center.com/blog/350/)
なぜ肩こり・首こりで頚性うつになるのか?原因を解説
なぜ肩こり・首こりで頚性うつになるのでしょうか。
主な原因は3つあります。
- デスクワークでの姿勢
- 日常的な猫背
- スマホやパソコンの普及
それぞれ詳しく解説します。
デスクワークでの姿勢
肩こり・首こりで頚性うつになる原因に、デスクワークでの姿勢があります。
デスクワークでは作業に集中しているため、長時間同じ姿勢でいることが多いからです。
長時間同じ姿勢でいると筋肉が緊張し続け、血流が悪くなります。
血流が悪くなるとさらに筋肉が硬くなるという負のスパイラルが起こり、肩こりや首こり・腰痛といった症状を引き起こしてしまうのです。
次のような場合は、姿勢や環境をできるだけ改めましょう。
- 顎や顔を突き出している
- 背中が丸まっている
- 作業中に肩が上がっている
- キーボードが肘よりも高い位置にある
日常的な猫背
日常的な猫背も、頚性うつの原因となる場合があります。
猫背は首や肩、腰などの筋肉に負担をかけるため、こり・痛み・しびれなどの神経症状を発症する可能性があります。
また、猫背は呼吸が浅くなり疲れやすい体になり、自律神経にも影響する可能性があるのです。
結果としてうつ病など精神的な不安を引き起こすこともあります。
体のバランスが崩れることで、あちこちに影響が現れるのです。
スマホやパソコンの普及
肩こりや首こりの原因に、スマホやパソコンの普及もあげられるでしょう。
スマホやパソコンを長時間使用することで、うつむく姿勢を続ける時間も長くなるからです。
連絡を取るツールから多種多様な機能を備えたスマホは、今や生活必需品になりました。
画面を凝視する時間が長くなると、首や肩や目にかなりの負担がかかります。
最近は、オフィスだけでなくリモートワークという働き方も増え、長時間同じ姿勢でPCモニターを見つめて作業する肩も多いでしょう。
便利になったことには違いありませんが、肩こり・首こりで頚性うつになりやすい環境になったともいえます。
うつ病の予防に肩・首こりのセルフケアを!
うつ病の予防に肩・首こりのセルフケアをしましょう。
主な3つの方法です。
- 適度な運動をする
- デスクワークの途中でストレッチをする
- 首のつけ根を押す
それぞれ説明します。
適度な運動をする
うつ病予防には、適度な運動が効果的です。
肩と首回りを中心に動かし、筋を収縮・弛緩させて血流を促すことで、こりが解消しやすくなります。
肩の上げ下げや肩回し、首倒しなどのほかラジオ体操もおすすめです。
デスクワークの途中でストレッチをする
デスクワークが多い方は、首や肩をまめにストレッチしてうつ病を予防しましょう。
首や肩のこりは動かさなければどんどん固まってしまうので、少しでも動かすことが大切です。
左右の首筋伸ばし・首の後ろ側伸ばし・肩のストレッチなど、気分転換も兼ねて行うといいでしょう。
首のつけ根を押す
首のつけ根を押すのも、うつ病予防の簡単なセルフケアです。
首はいろいろな神経が集中しているデリケートな部分なので、首そのものを揉むのは絶対にやってはいけません。
僧帽筋上部のツボ押しをおすすめします。
乳頭ラインを鎖骨から背中へ皮膚上を指でさすって動かしたとき、一番高い位置に「肩井(けんせい)」というツボがあります。
肩井を押しながら、押されている側の腕を動かしましょう。
(参考:かおり&やすらぎ)
まとめ
肩こりや首こりを、マッサージなどでしのいでいる方は多いのではないでしょうか。
しかし、中には肩こりや首こりが原因でうつ病になってしまうケースも。
本記事では、肩こりうつの正体と原因を詳しく解説しました。
肩こりや首こりがある方は本記事を参考に、生活習慣を見直してみてくださいね。
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