国際結婚ではほとんどの場合、宗教の違う相手と結婚することになります。
しかし、お互いの宗教について理解し合えないと、喧嘩やトラブルに発展してしまうことも。
本記事では、国際結婚でぶつかる宗教の壁5つと、体験談を元にした問題の克服方法を紹介します。
宗教の違う相手と国際結婚することに不安を感じている方、また相手との宗教の違いで悩んでいる方も、参考にしてくださいね。
国際結婚でぶつかる宗教の壁5選!2つの異なる宗教を持つ夫婦の現実
国際結婚において、異なる宗教を持つ夫婦がぶつかる壁とは、どんなことがあるのでしょうか?
主な壁は以下の5つです。
- 食べるものが合わない
- 家族の理解を得ることが難しい
- 日本の行事やイベントに参加しにくい
- スケジュールが合わせづらい
- 葬儀方法が異なる
詳しく解説します。
食べるものが合わない
宗教の違いにより最初にぶつかる壁は、食べるものが合わないことです。
海外の宗教では、日本人と食べるものが違うことが多いからです。
たとえば、イスラム教では決して豚肉を食べませんし、ヒンドゥー教では肉や魚を一切口にしない宗派もあります。
もしもあなたが普段から肉や魚をよく食べている場合、相手の宗教によっては同じ食事をとることは難しいでしょう。
また、宗派によっては「動物を調理した調理器具も使ってはならない」と規律が厳しいところもあります。
食べるものが合わないことは、国際結婚の生活において壁となりやすいでしょう。
家族の理解を得ることが難しい
家族の理解を得るのが難しいことも、宗教の違いでぶつかる大きな壁です。
宗教によっては、「同じ宗教を信仰している者同士でなければ結婚を認めない」という厳しい規律もあるからです。
たとえばあなたが無宗教の場合でも、相手の家族によっては、結婚すること自体を許可してもらえない場合もあるでしょう。
また、宗教の違う相手と国際結婚をするためには、改宗の必要が出てくるかもしれません。
宗教の違う国際結婚では、家族の理解を得ることは難しい場合が多いようです。
日本での行事やイベントに参加しにくい
違う宗教の相手と日本で暮らす場合、日本の行事に参加しにくくなるという問題もあります。
宗教が違うと、イベントの過ごし方や優先順位も違ってくるからです。
たとえば相手がキリスト教徒の場合、クリスマスには教会に出かけたり、大勢の家族と過ごしたりする可能性が高いです。
反対にクリスマスを祝う習慣がない宗教の場合、豪華なディナーを楽しむことも、プレゼントを贈る習慣もありません。
宗教の違う相手との国際結婚の場合、日本の行事やイベントには参加しにくい可能性があるでしょう。
スケジュールが合わせづらい
日々のスケジュールが合わせづらいことも、宗教の違いでぶつかる壁です。
海外には、毎日の起床時間やお祈りの時間が決まっている宗教もあるからです。
たとえば、あなたが毎週日曜日は夫婦で出かけたいと提案しても、相手がキリスト教徒である場合、ミサ(礼拝)に出かけてしまうこともあるでしょう。
宗教の違う国際結婚では、宗教活動の影響で、お互いのスケジュールが合わせづらくなる可能性があります。
葬儀方法が異なる
夫婦で葬儀方法が違うことは、人生において大きな壁となってくるでしょう。
現在日本では火葬が当たり前となっていますが、海外では土葬が主流となっているからです。
各宗教の宗派や個人の希望にもよるので一概にはいえませんが、イスラム教やキリスト教を信仰している人の場合、ほとんどが土葬を希望するそうです。
たとえば夫婦の片方が火葬を望み、もう片方が土葬を望んでいる場合は、日本でいう「同じお墓に入る」ことはできなくなります。
葬儀方法が異なることは、宗教の違う夫婦では大きな問題となるようです。
国際結婚の宗教的な課題はどう克服する?経験者が方法を解説!
国際結婚の宗教的な課題は、どのように克服していけば良いのでしょうか?
主な克服方法は、次の6つです。
- 相手の宗教について学ぶ
- 同じ境遇の経験者に話を聞く
- 他の夫婦と比べない
- 夫婦で徹底的に話し合う
- 相手の宗教を尊重する
- 同じ宗教に入信する
実際に国際結婚をしている経験者の体験を元に、それぞれ詳しく解説していきます。
相手の宗教について学ぶ
国際結婚の宗教的な問題を克服する上で最初に大事なことは、相手の宗教について学ぶことです。
相手の宗教について学ばない限り、お互いに問題を解決することは難しいからです。
たとえば、相手の宗教観や宗教の歴史を知らなければ、自分の宗教との違いを知ることもできませんよね。
筆者は現在、イスラム教徒の相手と結婚していますが、結婚前に図書館やネットの記事でイスラム教について勉強しました。
また、夫にもイスラム教について教えてもらうことで、イスラム教がどのような宗教なのかをより深く知ることができました。
相手の宗教を学ぶことで、相手に対する理解も深まりますよ。
同じ境遇の経験者に話を聞く
宗教の違う相手との国際結婚をするとき、同じ境遇の経験者に話を聞くことはとても大切です。
経験者の話は、本を読んだりネットで調べたりするよりも、さらに深い情報が得られるからです。
筆者の場合、同じくイスラム教徒の旦那さんを持つ友人に詳しい話を聞かせてもらいました。
そのとき、実際に起こったトラブルや苦労を話してもらったことで、問題点が明確になりました。
たとえば、将来子供ができたときには宗教はどうするのかなど、より具体的な問題をイメージできたのです。
もし身近に経験者がいない場合でも、現代はSNSがとても発達しています。
自分と似た境遇のアカウントをフォローして情報を得たり、コンタクトを取ったりして話を聞かせてもらうことも良いでしょう。
他の夫婦と比べない
宗教の違う相手との国際結婚を乗り越えるには、他の夫婦と比べないことも大切です。
他の夫婦と比べても、問題は何にも解決しないからです。
筆者が、日本人の友人夫婦と会ったときの体験です。
当時宗教の違う相手と国際結婚をしたばかりの私は、何も気にせずに食事を楽しんでいる友人夫婦を見たとき、とてもうらやましく感じてしまいました。
私が夫と食事をするときには、夫が食べられるものか食べられないものかを、毎回細かくチェックしなければいけなかったからです。
しかし日本人同士の結婚であっても、信仰している宗教や好きな食べ物が違うなど、いろいろな夫婦のかたちがありますよね。
十人十色ということばがあるように、夫婦も十組いれば十通りの、それぞれの夫婦のかたちがあります。
そのことに気付いた私は、他の夫婦と自分たちを比べることをやめました。
今では自分たち夫婦のオリジナリティを武器に、お互いの食事のことなど、異教徒同士の夫婦についてSNSで発信しています。
夫婦で徹底的に話し合う
国際結婚において宗教の違いを乗り越えるには、夫婦で話し合うこともとても大切です。
話し合うことで、今後の課題や問題点が明確になってくるからです。
筆者も結婚前には、宗教の違う夫とお互いの宗教について、とことん話し合いました。
相手に改宗を望まないことを約束したり、将来子供が生まれた場合はどちらの宗教になるのかを話し合ったり。
そのとき、取り決めたことなどのすべてをノートに書き込みました。
そのおかげか、お互いの宗教について喧嘩したりトラブルになったりしたことは一度もありません。
お互いが納得いくまで、徹底的に話し合うようにしましょう。
相手の宗教を尊重する
宗教の違いによる壁を乗り越えるために必要なことは、相手の宗教を尊重することです。
お互いに尊重し合うことで、気持ちの良い夫婦関係となっていくからです。
たとえば、イスラム教徒である筆者の夫は自宅でも時々お祈りをしていますが、お祈りの間私は決して夫の邪魔をしないようにしています。
反対に、私が神社へ参拝しに行くことに対しても、夫は一切口を出しません。
その結果、お互いに自分の時間を確保でき、心にも余裕が生まれています。
いくら人生を共に歩む夫婦だとはいえ、個人の人生は、あくまでも個人のものです。
相手の宗教を拒否するのではなく、受け入れ尊重することが大切です。
同じ宗教に入信する
違う宗教を持つ夫婦の問題を克服する最後の手段は、同じ宗教に入信することです。
同じライフスタイルや宗教観を持つことで、宗教の違いによる問題点をかなり克服できるからです。
筆者の友人・日本人のAさんが、イスラム教徒と結婚したときの経験です。
旦那さんや家族の意向もあり、Aさんは結婚を機にイスラム教への入信を決意。
今まで全く関わりのなかった宗教への入信に、はじめは不安も大きかったようです。
しかし今では旦那さんと一緒にモスク(イスラム教徒が礼拝するイスラム寺院)に出かけています。
またイスラム教徒でも食べられるレシピを考案し、とても楽しそうです。
ただし、改宗は今後の人生が大きく変化する可能性を否定できません。
後悔しないためにも改宗の際はよく考え、納得した上で決断してくださいね。
まとめ
宗教の違いは、国際結婚をする上でとても大きな問題です。
しかしせっかくお互いに好きになった相手ですから、宗教の問題で喧嘩やトラブルに発展してしまうことは、とても悲しいことです。
本記事では、国際結婚でぶつかる宗教の壁5つと、実際の体験談を元に問題の克服方法を紹介しました。
宗教の違う相手と国際結婚することに不安を感じている方、また既に宗教の違いで悩んでいる方も、参考にしてください。
様々な困難に負けず、幸せな国際結婚生活を目指してくださいね。
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