「パートナーが言葉による精神的DVをしているかももしれない……」
そんな時、どのような言葉がDVにあたるのか分からないと悩みますよね。
実は、言葉によるDVにはいくつかの特徴があります。
本記事では、精神的DVにあたる言葉の例や配偶者の脅しや暴言への対処法を紹介します。
パートナーの言動に悩み苦しんでいる方は、ぜひ参考にしてください。
言葉のDVとは?
言葉のDVとは、言葉の暴力ともいわれる精神的DVです。
DVとは、ドメスティックバイオレンスの略で「家庭内での暴力や攻撃的行動」を意味しています。
殴る・蹴るなどの身体的DVとは違い、精神的にダメージを与える陰湿的なDVです。
精神的DVは家庭内で起こりやすく周りからは分かりにくいため、表面化しづらいことも。
また、言葉や態度により相手の心を傷つけPTSD(心的外傷後ストレス障害)を与えることもあります。
精神的DVを受けている人は被害者であることに気づかないケースも多いですが、内容によっては刑事上の傷害罪として罰せられるケースもあるようです。
(参照:暴力の形態 | 内閣府男女共同参画局)
言葉のDVを受けやすい人の特徴
言葉のDVを受けやすい人の特徴には、どのようなものがあるでしょうか?
主に3つの特徴があります。
- 気が弱く優しい性格
- 専業主婦(主夫)
- 男尊女卑の考えをもつ夫の配偶者
詳しく説明します。
気が弱く優しい性格
気が弱く優しい性格の人は、言葉のDVを受けやすいといえます。
相手の全てを何でも受け入れてしまう優しい人は、言葉のDVをする人にとって都合がよいからです。
DVをする人は、怒鳴ったり理不尽な要求をしたりしても、「こいつなら絶対に逆らわない」と思っています。
言葉のDVは、小さな言動から始まっていき、様子を見ながら次第にDVはエスカレートするので、気が弱く優しい人は注意が必要です。
専業主婦(主夫)
専業主婦(主夫)も、言葉のDVを受けやすい特徴といえるでしょう。
中には「働いてお金を稼ぐ方が偉い」という考えをもつ人が一定数おり、専業主婦(主夫)を見下す言動をとる人も珍しくないからです。
パートナーの収入に頼っている専業主婦(主夫)は、DVを受けても「ひとりでは生きていけない」と反論できず、相手が正しいと思い込んでしまうことも。
できる範囲で仕事をするなどして、自分の立場を変えていきましょう。
男尊女卑の考えをもつ夫の配偶者
言葉のDVを受けやすい人は、男尊女卑の考えをもつ夫の配偶者にも多い傾向があります。
男尊女卑の考えをもつ人の多くは、「女性は弱く、男性に逆らわない存在」だと思い込んでいるからです。
女性よりも男性の方が立場や価値が高いと思っているので、配偶者を蔑ろに扱います。
男尊女卑の考えをもつ男性は、女性を見下してバカにし精神的DVを繰り返す可能性があるといえるでしょう。
言葉のDVの例
言葉のDVにはどのような例があるでしょうか?
パートナーから実際に受けた、言葉のDVの6つの例を挙げてみます。
- 誰のおかげで飯が食えるのかよく考えろ
- 言うことが聞けないのなら家を出ていけ
- 社会に迷惑をかけるだけだからクズは消えろ
- お前に似て子どももバカでかわいそうだな
- お前の親も底辺育ちだから仕方ないな
- お前の人生なんて簡単に壊してやる
詳しく説明します。
「誰のおかげで飯が食えるのかよく考えろ」
言葉のDVの典型的なセリフとして、「誰のおかげで〜できるのかよく考えろ」があります。
自分の稼ぎがどれほど家計を支えているかをアピールし、主が自分であると相手に認識させる目的をもっています。
特に専業主婦(主夫)のパートナーに向けて、使われることが多い常套句です。
また、「お前は自分がいないと生きていけない」という思いを刷り込ませ、自分の思い通りに動かそうとする魂胆もあるようです。
「言うことが聞けないのなら家を出ていけ」
「家を出ていけ」は、言葉のDVをする人の典型的なセリフのひとつです。
家を追い出されては困るという思いを、パートナーに植え付け困らせるための暴言です。
特に、専業主婦(主夫)に向けて使われることが多く、相手の弱い立場を利用した酷い言葉のDVといえます。
家を追い出されては相手が困ると分かっているので、自分の機嫌を損なわさせないようにする、脅しともとれる言葉のDVでしょう。
「社会に迷惑をかけるだけだからクズは消えろ」
言葉のDVをする人は、人格否定のような嫌がらせの暴言をよく使います。
相手の人格を否定して、精神的に追い詰めていく狙いがあるからです。
「クズ」「バカ」など人格を否定し、自分より格下の存在だと思い込ませ支配する目的も。
相手に罪悪感を抱かせ自分の立場を優位にし、パートナーを支配することを目的としている可能性もあります。
自尊心を奪う暴言は、立派な言葉のDVといえるでしょう。
「お前に似て子どももバカでかわいそうだな」
子どもまでも傷つけて相手に罪悪感を植え付けるのも、言葉のDVのやり方です。
子どもを傷つけバカにすることで、相手に強い罪悪感を抱かせ、反省を促そうとします。
悪いのは自分なんだと劣等感をもたせ、自分が行動するのは無意味であると意欲を無くさせる言動でもあります。
自分だけが特別で優れていると思い、自分の存在価値をあげようとする目的もあるようです。
子どもを盾に相手を陥れるのも、言葉のDVをする人の大きな特徴だといえます。
「お前の親も底辺育ちだから仕方ないな」
相手の身内をバカにしたり蔑んだりする言動も、言葉のDVにあたります。
身内や友人を否定すれば、相手を否定するのと同じ効果があり、優越感を得られるからです。
身内をバカにすると、相手に大きなダメージが与えられることも心得ています。
反対に、自分の身内はいかに優秀であるかを語り、さらに惨めな思いをさせるなど巧妙で汚い言葉のDVといえるでしょう。
「お前の人生なんて簡単に壊してやる」
相手の大切なものを壊したりつぶしたりするという脅し文句も、典型的な言葉のDVです。
脅して恐怖心を抱かせることで、相手の行動を制限し言いなりにさせる目的があるからです。
また、周りにも迷惑をかけてしまうのではないかという思いもさせ、外部との交流も断たせるよう仕向けているのかもしれません。
卑怯な脅し文句は、言葉のDVの代表的なセリフといえるでしょう。
言葉のDVを受けている時の対処法
言葉のDVを受けている時の対処法にはどのようなものがあるでしょうか?
対処法は主に4つあります。
- 証拠となる言動をスマホなどで録音・録画する
- メールやチャットでの言葉の暴力はスクリーンショットで保存する
- どのような暴言を受けたか日記に書き記す
- 弁護士に相談する
詳しく説明します。
証拠となる言動をスマホなどで録音・録画する
言葉のDVをパートナーから受けた時には、相手の言動を録音・録画しておきましょう。
相手の攻撃的な言動や状況を録音・録画しておけば、精神的DVを証明する証拠にできる可能性があるからです。
日常的に精神的DVが行われているならば、スマホなどを使い会話をしっかり録音・録画しておきましょう。
メールやチャットでの言葉の暴力はスクリーンショットで保存する
メールやチャットで受けた言葉の暴力は、スクショなどをして保存しましょう。
攻撃的なメールなどは、言葉のDVを証明する証拠となる可能性があるからです。
言葉のDVを受けている明らかな証拠として、日付や内容が分かるメールの画像は非常に重要です。
ただし、加害者はパートナーのスマホを勝手に見て削除する危険性もあります。
パートナーにバレないように十分注意しつつ、メールのスクショなどはしっかりと保存しておくようにしましょう。
どのような暴言を受けたか日記に書き記す
言葉のDVを受けたら、暴言の内容や詳細を日記に書き記しておきましょう。
暴力を振るうDVとは違い、無視や暴言など目に見える証拠が少ないので、日時や詳細を記録しておくことが重要です。
細かい日時や内容を記入しておくと、精神的DVを立証する証拠として認められる可能性が高まります。
言葉のDVを受けていると感じたら、日記に残すように習慣づけましょう。
弁護士に相談する
弁護士に相談することも、言葉のDVを受けている人には有効的な対処法です。
パートナーからの言葉のDVに悩み、別離なども視野に入れている場合は、DV相談窓口のある弁護士への相談もおすすめです。
言葉のDVの加害者は、自分がDVをしている自覚がない人も多く、まともな話し合いでの解決などできません。
弁護士に相談をして身の安全を考え距離を置き、自分の道を進めましょう。
まとめ
パートナーからの言葉のDVを受けるのは、とてもつらいですよね。
本記事では、精神的DVにあたる言葉の例や脅しや暴言への対処法を紹介しました。
言葉のDVを受けるのは、あなたのせいではないためDVを甘んじて受ける必要はありません。
本記事を参考に、ひとりで悩まず自分の身を守る行動をとってくださいね。
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