「うつ病になって治療のために抗うつ薬を服用したら、激太りしてしまった……」
うつ病の患者さんの中には、体重増加でお悩みの方が一定数いると思います。
そんな時、対処の方法がわからないと困ってしまうということも。
本記事ではうつ病で太ってしまう原因や、気になる抗うつ薬の影響について解説します。
うつ病になって体重増加で悩んでいる方は、参考にしてくださいね。
うつで太りやすくなるのはなぜ?
うつ病になって太りやすくなってしまうのは、どのような原因があるのでしょうか?
主な原因は3つあります。
- 回復の過程で食欲が戻るから
- ストレスで過食気味になることがあるから
- 抗うつ剤の影響
詳しく説明します。
回復の過程で食欲が戻るから
うつから回復する過程で食欲が戻るというのが一つの原因です。
うつを発病した当初は、食欲が減退することがしばしばあります。
ひどい場合には、食事をまったく受け付けない拒食症になってしまうことも。
しかし症状が安定してくると食欲が回復し、つらい時期に食べられなかった分、反動で食べ過ぎてしまうのです。
食欲が抑えられず、回復の過程で太ってしまうという場合があります。
ストレスで過食気味になることがあるから
鬱になると、ストレスで過食気味になることがよくあります。
ストレス発散の矛先を食べることに向けてしまうのです。
カロリーや栄養バランスをまったく考えずに、好きなものを好きなだけ、時間も考えずに食べ続けます。
不安な気持ちを食べることによって抑えようとする行動で、何かを食べていないと落ち着かない状態です。
結果、摂取カロリーオーバーになり激太りしてしまうのです。
抗うつ剤の影響
抗うつ剤の影響により太ってしまう場合があります。
抗うつ剤は食欲を増したり、リラックス効果で代謝を抑えたりという効果があります。
しかし抗うつ剤の種類にもよりますが、やはり太りやすい傾向のものが多いのです。
抗うつ剤で太るのはなぜ?
抗うつ剤の服用によって太ってしまうのはなぜでしょうか?
3つの要因があります。
- 抗ヒスタミン作用で食欲が増加するから
- 抗5HT₂C作用で食欲が増加するから
- セロトニンによって代謝が抑制されるから
詳しく説明します。
(参考:こころみクリニック)
抗ヒスタミン作用で食欲が増加するから
抗うつ剤に含まれるヒスタミンの働きを抑える作用が食欲を増加させます。
抗ヒスタミン作用により満腹中枢への刺激を止めてしまい、満腹感が得にくくなるのです。
さらにヒスタミンがブロックされると、グレリンというホルモンが増加します。
グレリンは摂食中枢を刺激し食欲を増加させます。
食事量が増えてしまうことにより、太ってしまうのです。
抗5HT₂C作用で食欲が増加するから
抗5HT₂C作用で食欲が増加してしまいます。
抗うつ剤は精神を安定させるためのセロトニンを増やすために、5HT₂C受容体がブロックされる働きの強いものがあるのです。
5HT₂Cがブロックされると満腹中枢への刺激が阻害され、満腹感を感じにくくさせてしまいます。
満腹感を感じにくくされ食欲が増してしまうことにより、体重が増えてしまうのです。
セロトニンによって代謝が抑制されるから
抗うつ剤の効果のひとつであるセロトニンを増やす作用により、代謝が抑制されてしまいます。
不安や落ち込みを解消する作用があるセレトニンは、副作用として代謝を阻害します。
体はエネルギーの消費を抑えるようになり、代謝量が少なくなって太ってしまうのです。
うつ病で太るのを防ぐ方法
うつ病でのを防ぐには、どのような方法があるのでしょうか?
4つの方法があります。
- 体重を毎日はかる
- 食事内容や量を見直す
- 運動する習慣をつける
- 医師に薬の副作用を相談する
詳しく説明します。
(参考:こころみクリニック)
体重を毎日はかる
体重を毎日はかることを心がけましょう。
体重計にのってみたら、あまりにも体重が増えていることに驚いてしまうことがあります。
大幅に増えてしまった体重に、心が折れてしまいそうになることもあるかもしれません。
しかし自責的な感情を持たず、淡々と今の自分の状態を把握することが大切です。
体重増加を予防するにも対策するにも、まずは現状を把握しておく必要があるのです。
食事内容や量を見直す
食事の内容や量を見直すことにより、体重の増加を管理します。
栄養のバランスや量を考えることにより、筋肉量を減らさないように注意しましょう。
筋肉量が減ると基礎代謝も落ち痩せにくい体質になってしまいます。
基礎代謝を落とさない 食事内容や量を意識することが大切です。
運動する習慣をつける
筋肉量を増やし基礎代謝を上げるために、運動習慣をつけるようにします。
スクワットやストレッチなどの筋トレで少しずつ筋肉量を増やしましょう。
筋トレにウォーキングやエアロビクスなどの酸素運動を組み合わせることにより、効率よく脂肪を燃焼させられます。
医師に薬の副作用を相談する
主治医に薬の副作用を相談することも大切です。
体重についての考え方は個人差も大きく、患者さんと主治医の間でギャップが大きいこともあります。
薬の調整も含めて主治医と相談し、体重を上手に管理する方法を考えましょう。
まとめ
「うつ病になって抗うつ薬を服用したら、激太りしてしまった」
うつ病の患者さんの中には、体重増加でお悩みの方も一定数いると思います。
しかし、うつ病の方が体重を適正に管理する方法は、いろいろあるのです。
本記事ではうつで太ってしまう原因や、気になる抗うつ剤の影響について解説しました。
うつ病になって体重増加が気になる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
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