エアコンフィルターの掃除不要?自動掃除機能付きエアコンのメリット・デメリットを解説

 

最近では、自動で室内機を掃除する機能が付いているエアコンが多く、各社からいろいろな機種が出ています。

自らきれいにしてくれる機能があればフィルター掃除もしなくていいし、とても便利そうですよね。

しかし実は、お掃除機能付きエアコンにはデメリットもあり、まったくお手入れをしなくてもいいわけではないのです。

本記事では、家業のエアコン工事を手伝う筆者が、自分で室内機をきれいにする便利なエアコンのメリットやデメリットを紹介します。

お掃除機能付きのエアコンについて知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

自動掃除機能付きエアコンの仕組みとメーカー毎の違い

エアコンに付いている自動お掃除機能が、どういうものかよくわからないという方は多いのではないでしょうか?

メーカーによっていろいろな特徴があるので、フィルターを自動で清掃してくれる仕組みとメーカー毎の違いを解説します。

 

  • 自動でエアコンフィルターを掃除する仕組み
  • メーカー毎の違い

 

自動でエアコンフィルターを掃除する仕組み

フィルターの自動掃除は、フィルターに付着しているほこりをブラシなどで取り除く機能です。

こまめに掃除ができるので、きれいなフィルターを維持しやすいのが特徴です。

エアコンの運転を停止したら、室内機のお掃除ロボが自動で動いたり、リモコンのお掃除ボタンで動いたりします。

ブラシなどで取り除いたほこりは、室内機にあるゴミ箱に溜まるものが主流です。

機種によっては、ほこりを屋外に排出するものもあります。

 

メーカー毎の違い

7つの企業で作られている自動お掃除機能エアコンの特徴を、それぞれ紹介します。

フィルター以外にも内部をきれいにする機能もあるので、選ぶときの参考にしてくださいね。

メーカー 自動掃除の内容
DAIKIN
  • 自動でフィルターをブラッシングして、ほこりをゴミ箱に
  • 運転中に発生した結露水で熱交換器を洗浄する、「水内部クリーン」機能
  • 洗浄中はダイキン独自のストリーマ機能が働き、内部のカビ発生を防ぐ
三菱電機
  • フィルターに付いたほこりを「おそうじメカ」がかきとる
  • ゴミ箱は10年分の容量
  • 抗菌やウイルス抑制作用のあるコーティングをしたフィルターを使用
Panasonic
  • フィルターのほこりを取り除き、機種によっては貯めずに屋外に排出する
  • 運転後にナノイーXを内部に充満させ、カビ菌を除菌
東芝
  • 取り除いたフィルターのほこりはゴミ箱へ
  • ゴミ箱は取り外さず、専用のノズルを装着した掃除機で吸い取れる
  • UV除菌ユニット搭載で熱交換器の除菌ができる
富士通
  • 自動でフィルターのほこりを取り除いてゴミ箱へ
  • 加熱除菌機能搭載で、カビ菌を除菌
日立
  • 左右に移動しながらフィルターのほこりを取り除く
  • 室内機奥にあるファンを掃除する「ファンお掃除ロボ」搭載
  • 熱交換器を凍らせて汚れを落とす、凍結洗浄機能
SHARP
  • フィルターの両面のほこりを自動で取り除く
  • 運転後は内部を乾燥させ、プラズマクラスターイオンでカビ増殖を防ぐ

 

(参考:ダイキン

(参考:ダイキン

(参考:三菱電機

(参考:パナソニック

(参考:東芝

(参考:富士通

(参考:日立

(参考:日立

(参考:シャープ

 

自動掃除付きエアコンのメリット・デメリット

便利なことばかりのように思える掃除機能が搭載されたエアコンですが、実はデメリットもあります。

マイナス面を知らずに使うと、故障や能力低下の原因になる可能性もあるので知っておきましょう。

 

  • メリット
  • デメリット

 

メリット

自動で掃除をしてくれる機能が付いたエアコンは、フィルター掃除の回数を減らせるのがメリットです。

室内機に搭載されているお掃除ロボットがほこりを取り除いてくれるので、フィルターを外して自分で洗う手間が減ります。

フィルターを外すために脚立や椅子に上る必要もありません。

また、フィルターがきれいなエアコンは効率よく稼働でき、電気代の節約になるのもうれしいポイント。

高齢の方や妊娠中の方などこまめな掃除が難しい人には、自動できれいにしてくれる機能はかなり助かりますね。

 

デメリット

自動お掃除機能付きエアコンは、まったくお手入れをしなくてもいいわけではありません。

ほこりが溜まるゴミ箱や付着した油汚れなどは、自分で掃除する必要があるのです。

また、お掃除ロボは複雑なつくりをしているため、お掃除機能の部分が故障したり不具合を起こしたりすることも。

業者にエアコンクリーニングを依頼するときも、掃除ロボなしのエアコンよりも高額になります。

工事をしていると、近年は自動お掃除機能がないエアコンを希望する人も増えてきました。

自分で掃除する機能のマイナス面も知った上で、自分の使い方に合うエアコンを選ばなければなりません。

 

自動掃除機能で掃除ができるパーツ

エアコンの自動掃除機能で掃除ができるパーツは限られています。

エアコン自身できれいにできるのは、次の2つのパーツです。

 

  • エアコンフィルター
  • エアコン内部

 

それぞれ、掃除しきれない部分もあるので、併せて説明しますね。

 

エアコンフィルター

お掃除機能付きのエアコンは、フィルターに付着したほこりなどを自分で取り除きます。

掃除をする機械部分はブラシのような形状になっていることが多く、乾燥したほこりは取れやすいです。

しかし、油汚れなどはブラシでは取れないため、自分で洗う必要があります。

キッチンの近くにあるエアコンなどは、料理で発生した油汚れが付きやすいので注意が必要です。

油汚れの上にさらにほこりが付くと、ほこりが何層にも重なってしまうことも。

エアコンの掃除機能に頼り切っていると、汚れが溜まってしまいます。

 

エアコン内部

エアコンの機種によっては、内部の熱交換器部分やエアコンの奥にあるファンをきれいにできるものもあります。

エアコン内部にはカビが生えやすく、自分では簡単に掃除ができない部分が多いため、自らきれいにしてくれると便利ですよね。

ただし、メーカーや機種によってできることに差があるため、必ず各機種の説明書やカタログを確認しましょう。

 

自動掃除機能付きエアコンを掃除しないとどうなる?

自動で掃除ができるエアコンだからといって、一切お手入れをせずに放っておくとどうなるのでしょうか?

そのままにしていると次のような状態になるので、必ずお手入れが必要です。

 

  • 本体の寿命が短くなる
  • 嫌な臭いの原因になる
  • 冷房効率が悪くなり、電気代が高くなる

 

それぞれ詳しく説明します。

 

本体の寿命が短くなる

エアコンを掃除せずに放置していると、本体の寿命が短くなってしまいます。

掃除機能が付いていても、エアコン内にほこりが溜まったり汚れたりして、故障の原因になるのです。

「まったく掃除しなくてもいいと思ってた…」という方のエアコンを開けると、ゴミ箱からほこりがあふれていました。

フィルターには何層にも重なったほこりが溜まり、内部もカビだらけ。

風がうまく循環しないのでエアコンが効かず、水漏れが発生して故障していました。

お掃除用のロボットを正しく、長く動かすためには、必ずお手入れをする必要があります。

 

嫌な臭いの原因になる

エアコンの掃除をせずに放置すると、室内機から嫌な臭いが出るようになります。

放置して室内機にほこりが溜まるとカビが好む環境になり、内部にカビが生えやすくなります。

そして、エアコンを運転するとカビの臭いが室内に充満するのです。

また、溜まったほこりに付着した、タバコや汗などの臭いが出てきてしまうこともあります。

臭いと一緒にカビ菌などの雑菌も放出され、アレルギーや体調不良の原因になるので注意が必要です。

 

冷房効率が悪くなり、電気代が高くなる

掃除しなくてもいいエアコンだからと放置していると、エアコンの効率が落ちて電気代が高くなってしまいます。

フィルターや室内機にほこりが溜まると、エアコン運転中の風の循環がうまくできなくなります。

フィルターが目詰まりしたエアコンと比べて、清掃したエアコンは年間990円もの節約になるという結果もあるのです。

エアコンの機能だけに任せず、定期的にフィルターや内部を掃除すると節約につながりますね。

(参考:資源エネルギー庁)

 

まとめ

自動掃除機能付きエアコンは、まったく掃除しなくてもいいと思っている人がたくさんいます。

実は自動で掃除をしてくれるエアコンでもお手入れは必要で、放置していると故障の原因になったり電気代が高くなったりすることがあるのです。

本記事では、家業のエアコン工事を手伝っている筆者が、自動掃除機能付きエアコンのメリットやデメリット、各メーカー別掃除機能の特徴などを紹介しました。

自動掃除機能付きエアコンの扱いにお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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