「最近うつっぽいけど、なんだかお腹の調子も悪いな」
精神的なストレスがかかると、お腹の調子が悪くなりがちですが、脳と腸がどのように関係しているのかはよく分からないですよね。
実は、うつ病と腸内環境は深い関係があるのです。
本記事では、うつ病と腸内環境の関係、腸からはじめるうつ予防の方法について紹介します。
腸内環境を改善してうつ病の緩和や予防をしたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
うつ病と腸内環境の密接な関係
うつ病と腸内環境には、次の3つの密接な関係があります。
- うつ病など心の病には慢性的な便秘・下痢の人が多い
- 腸内の善玉菌とうつ病は関係している
- 腸内環境が改善するとうつ症状もよくなる可能性がある
詳しく説明します。
うつ病など心の病には慢性的な便秘・下痢の人が多い
うつ病など心の病には、慢性的な便秘や下痢の人が多いです。
ストレスがかかると交感神経が優位になり、腸の動きが抑制されるからです。
腸の働きが悪くなり消化吸収がうまくできなくなると、便秘や下痢が繰り返されます。
心の状態は腸の状態と密接な関係があると言えます。
腸内の善玉菌とうつ病は関係している
腸内の善玉菌とうつ病には関係性があります。
国立精神・神経医療研究センターでは、うつ病患者と健康な方の便を採取し、善玉菌であるビフィズス菌や乳酸桿菌(ラクトバチルス)の菌量を比較する研究を行いました。
研究では、善玉菌などの腸内細菌の数が、健康な方と比較してうつ病の方は低下しているという結果に。
そのため、善玉菌の数が低いとうつ病の発症リスクが上昇すると考えられているのです。
(参考:保健指導リソースガイド)
腸内環境が改善するとうつ症状もよくなる可能性がある
腸内環境が改善すると、うつ症状もよくなる可能性があります。
うつ症状の原因の一つは、セロトニンという物質の低下です。
セロトニンは、快楽・喜びに働くドパミンや興奮・緊張に働くノルアドレナリンをコントロールし、精神を安定させる働きがあります。
また、腸の運動にも関わっています。
体内のセロトニンの90%は腸に存在しており、脳と腸の間は自律神経を介して調節されているので、セロトニンは脳と腸の両方に関わっているのです。
腸内環境が改善すると、セロトニンの分泌も安定するため、不安やイライラがコントロールできるのです。
(参考:セロトニンの増加が心身に及ぼす効果│医療法人社団 平成医会)
腸内環境はストレスとも関係がある
腸内環境はストレスとも関係があります。
大腸には腸内細菌が棲みついており、善玉菌と悪玉菌がバランスを保って共存しています。
脳と腸は、互いに自律神経を介して調節されており、ストレスがかかると腸内細菌のバランスも変化するのです。
リラックスをしているときは腸内細菌のバランスは保たれ、腸の動きは良くなります。
しかし、ストレスがかかると腸内細菌のバランスが崩れてしまい悪玉菌が増えてしまいます。
このように、ストレスにより腸内環境は変化するのです。
腸からはじめるうつ病予防!善玉菌を増やすバランスの良い食事とは
うつ病予防のために、善玉菌を増やすバランスのよい食事には、主に次の4つがあります。
- ヨーグルトや味噌・納豆などの発酵食品
- 海藻・ごぼう・もち麦などの水溶性食物繊維
- バナナ・玉ねぎ・はちみつなどのオリゴ糖
- 青魚・さけ・亜麻仁油などのDHA・EPA
詳しく説明します。
ヨーグルトや味噌・納豆などの発酵食品
ヨーグルトや味噌・納豆などの発酵食品は、善玉菌を増やすバランスの良い食事の一つです。
そもそも発酵食品とは、微生物が分解して何かを作り出す発酵という過程を経て生まれる食べ物をいいます。
発酵食品には善玉菌が豊富に含まれているので、発酵食品を食べることは腸内の善玉菌を増やすことにつながります。
発酵食品にはヨーグルトや味噌・納豆以外にも、チーズや漬物、甘酒などがありますので、ぜひ取り入れてみましょう。
海藻・ごぼう・もち麦などの水溶性食物繊維
海藻・ごぼう・もち麦などの水溶性食物繊維も、善玉菌を増やすバランスの良い食事の一つです。
水溶性食物繊維は、善玉菌にとって必要なエサとなるため、善玉菌を増やすことにつながるからです。
海藻・ごぼう・もち麦以外にもキャベツ・ブロッコリー・ほうれん草などの野菜にも豊富に含まれています。
また水溶性食物繊維は、ドロドロと粘り気があるのが特徴です。
ゆっくりと腸を通るため腹持ちがよく、ダイエットにもつながる嬉しい効果もありますよ。
バナナ・玉ねぎ・はちみつなどのオリゴ糖
善玉菌を増やすバランスの良い食事の一つに、バナナ・玉ねぎ・はちみつなどのオリゴ糖もあります。
オリゴ糖とは、2〜10個といった少ない数の単糖(ブドウ糖など)がつながっている糖のことです。
オリゴ糖は消化性と難消化性に大きく分けられますが、善玉菌に良い影響を与えるのは一般的に難消化性のオリゴ糖です。
なぜなら、難消化性のオリゴ糖は消化されずに大腸まで届き、善玉菌が増えるのに必要な材料となるからです。
バナナやはちみつはヨーグルトに添えたり、玉ねぎは味噌汁に入れたりすることで、効率よく摂ることができますよ。
青魚・さけ・亜麻仁油などのDHA・EPA
青魚・さけ・亜麻仁油などのDHA・EPAも、善玉菌を増やすバランスの良い食事の一つです。
DHA・EPAは、抗酸化作用により炎症を抑える働きがあるため、善玉菌が増えやすい腸内環境を整えるからです。
魚の場合、効率よく摂る方法は、刺身のような生の状態で食べることです。
また、DHA・EPAはコレステロールや中性脂肪を下げる嬉しい働きもありますよ。
まとめ
精神的なストレスがかかると、お腹の調子が悪くなりがちですが、脳と腸がどのように関係しているのか分からないですよね。
実は、うつ病と腸内環境は深い関係があるのです。
本記事では、うつ病と腸内環境の関係、腸からはじめるうつ予防の方法について紹介しました。
腸内環境を改善してうつ病の緩和や予防をしたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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