「今トイレに行ったばかりなのにまたしたくなるのはなぜ?」
トイレが近くなる頻尿は、原因が分からないと病気と関係があるのではないかと心配になりますよね。
頻尿には水分の過剰摂取のほかに様々な原因があり、生活習慣の見直しなどで改善できる場合があるのです。
本記事では、トイレが近くなる頻尿の原因と正しい対処法を紹介します。
頻尿の原因が分からずに不安に感じている方は、参考にしてくださいね。
頻尿とはどんな症状?
まず、頻尿とはどのような症状なのでしょうか?
頻尿とは、排尿の回数が増え日常生活に支障が出てしまう状態のことです。
例えば、さっきトイレに行ったのにまたすぐに行きたくなったり、排尿の回数が増えたりします。
通常、1日の排尿の回数が8回以上になると頻尿とされているため、まずはトイレの回数をカウントしましょう。
(参考:尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~|日本泌尿器科学会)
トイレが近くなる頻尿の主な原因は何?
トイレが近くなる頻尿の原因には、主に次の6つがあります。
- 習慣性頻尿によるもの
- 水分やカフェインの摂りすぎ
- 過活動膀胱によるもの
- 膀胱炎や子宮筋腫などの病気によるもの
- 残尿や尿量の増加によるもの
- 心因的要因やストレスによるもの
詳しく説明します。
習慣性頻尿によるもの
トイレが近くなる頻尿の主な原因の1つに、習慣性頻尿が挙げられます。
習慣性頻尿とは、尿が膀胱に十分に溜まっていないのにトイレに行くため排尿の回数が増えてしまう症状です。
「いつトイレに行けるかわからないから行ける時に行こう」などと、必要以上に排尿する状態で、病気ではないとされています。
膀胱に尿が十分に溜まっていないため、1回の量が少ないのが特徴です。
水分やカフェインの摂りすぎ
水分やカフェインの摂りすぎも、トイレが近くなる頻尿の原因の1つです。
身体に必要以上の水分を摂ると不要な分は尿として体外に出てしまうため、トイレの回数が多くなるのです。
近年、テレビなどで血液のドロドロ防止策として水分摂取を勧める風潮があったため、水分の過剰摂取が多い傾向にあります。
また、カフェインは尿の排泄を促す働きがあり、摂りすぎるとトイレが近くなるため注意しましょう。
過活動膀胱によるもの
過活動膀胱も、トイレが近くなる頻尿の原因になります。
過活動膀胱とは膀胱が過敏になっている状態で、尿が溜まっていなくても膀胱が収縮する症状です。
過活動膀胱の原因はいくつかありますが、女性の場合は加齢や出産により膀胱の働きを支える筋肉の低下だと言われています。
また、女性ホルモンの減少も影響し、更年期世代は夜中に何度も尿意をもよおすケースが多いようです。
膀胱炎や子宮筋腫などの病気によるもの
トイレが近くなる頻尿は、膀胱炎や子宮筋腫などの病気が原因の可能性もあります。
細菌の感染により起こる膀胱炎は、排尿の際に痛みがあったり尿が濁ったりというほかに、炎症が刺激となって尿の回数が多くなる場合があるのです。
子宮筋腫とは、子宮の壁にできる筋肉の腫瘍で、この腫瘍が膀胱を圧迫し頻尿になる可能性があります。
頻尿が気になり受診したら、思いがけず病気が発覚したというケースも珍しくありません。
残尿や尿量の増加によるもの
残尿や尿量の増加も、トイレが近くなる頻尿の原因です。
残尿とは排尿後も膀胱に尿が残っている状態で、膀胱や尿道の知覚異常が起こるからだとされています。
尿量増加は、水分の過剰摂取やアルコール摂取などで起こりがちです。
特に飲水量と排尿量は密接な関係があるため、水分の過剰摂取と比例して排尿回数が増えます。
また、糖尿病の治療薬や尿の排泄を促す薬の服用も尿量が増加する傾向があります。
心因的要因やストレスによるもの
心因的要因やストレスも、トイレが近くなる頻尿の原因です。
ストレスや緊張によって自律神経のバランスに乱れがあると、脳に尿意を正しく伝達できず膀胱と脳内にズレが生じます。
また、トイレにいつ行けるか分からない時にも不安から尿意を感じやすくなります。
しかし、膀胱にたまった尿量が少ないため尿がほとんど出ないことが多いです。
頻尿になったらどうすればいい?正しい対処法とは?
では、頻尿になった場合、どう対処すればいいのでしょうか?
次の8つを紹介します。
- 体を冷やさない
- ストレスを溜め込まない
- 食生活や生活習慣を見直す
- 骨盤底筋を鍛える体操や膀胱トレーニングをする
- 排尿日誌をつけてみる
- 尿漏れパッドなどを活用して頻尿対策をする
- 頻尿の症状を緩和する薬を飲む
- 症状が改善されなければ泌尿器科を受診する
体を冷やさない
頻尿になった場合の対処法として、体を冷やさないようにしましょう。
身体の冷えは刺激となり、膀胱が収縮し尿意を感じやすくなるため排尿の回数が多くなりがちです。
冬場は特に注意が必要ですが、夏場も冷房が原因で身体に冷えが生じます。
普段から、三首と呼ばれる首・手首・足首や下腹部を温めて、体を冷やさないように心掛けましょう。
ストレスを溜め込まない
ストレスを溜め込まないようにすることも、頻尿の対処法として有効です。
ストレスを感じると、膀胱に尿を溜め込む力が低下します。
その結果、「トイレに間に合わなかったらどうしよう」という不安に襲われ、排尿の回数が多くなるのです。
リラックスしている時は尿意が気にならない傾向にあるので、日頃からストレスを溜めないようにしましょう。
食生活や生活習慣を見直す
食生活や生活習慣の見直しも、頻尿の対処法の1つです。
頻尿を和らげる食材を取り入れたり、水分摂取の仕方などを見直したりすると改善できる場合があります。
例えば、銀杏や山芋は排尿に関わる筋肉の働きを強化し、生姜は体を温め冷えを改善して頻尿予防の効果が期待できます。
また、緑茶やビールは尿の排泄を促すため、過剰な摂取は控えましょう。
(参考:頻尿の人におすすめの野菜やNGな食事のとり方を詳しく紹介|Farmer friends Marche)
骨盤底筋を鍛える体操や膀胱トレーニングをする
頻尿になった場合の対処法の1つとして、骨盤底筋を鍛える体操や膀胱トレーニングがおすすめです。
骨盤底筋は、膀胱が下がらないように骨盤を支えている筋肉で、鍛えると頻尿の症状改善に繋がる可能性があります。
また、尿意を感じてもすぐにトイレに行かず少し我慢するという膀胱トレーニングは、簡単に取り組めるためおすすめです。
トレーニング開始から、4週間ほどで効果を感じ始める方が多いので継続してみましょう。
排尿日誌をつけてみる
排尿日誌をつけることも、頻尿になった場合の対処法として有効です。
日誌に記録すると、現在の排尿状態が把握できます。
排尿日誌はインターネットでダウンロードする方法や、スマートフォンなどで管理可能なアプリ版もあります。
日誌3日分を持参し受診したところ、頻尿の原因が判明した方もいるためぜひ試してみましょう。
尿漏れパッドなどを活用して頻尿対策をする
尿漏れパッドなどを活用する方法も、頻尿になった場合の対処法の1つです。
すぐにトイレに行けない場合も、尿漏れパットなどを使えば不安が軽減できます。
昨今の尿漏れパッドは、吸収力や消臭効果に優れており、例え外出先で尿漏れしても周囲に気付かれる可能性が低いため安心して使用できます。
尿漏れパッドは、給水量や肌触りの違いなど様々な種類があるので自分好みの物を探してみましょう。
頻尿の症状を緩和する薬を飲む
頻尿になった場合の対処法として、頻尿の症状を緩和する薬を試してみるのも1つの手です。
女性の頻尿は軽い症状の場合、市販薬でも緩和できる可能性があります。
市販薬は、ドリンクタイプやスティックタイプなど様々な種類があり、漢方薬も有効です。
薬を使ってみようと思う方は、薬剤師や登録販売者に症状を伝え、確認の上で服用をおすすめします。
症状が改善されなければ泌尿器科を受診する
対処法をいろいろ試しても頻尿の症状が改善されない場合は、泌尿器科を受診しましょう。
泌尿器科では尿のトラブルや病気の有無を確認して、適切な診断を受けられます。
症状や状態に応じて、薬が処方されるので早急に改善される可能性が高いです。
症状が悪化する前に受診して、早めの対処をしましょう。
まとめ
本記事では、トイレが近くなる頻尿の原因と正しい対処法を紹介しました。
トイレが近くなる頻尿は、原因が分からないと「何か病気と関係があるのではないか」と心配になりますよね。
頻尿には水分の過剰摂取のほかに様々な原因があり、生活習慣の見直しなどで改善できる場合があるのです。
本記事を参考に頻尿への適切な対処をして、尿意のストレスが緩和されると良いですね。


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