シニア犬の健康診断は必要?主な検査項目や適切な頻度・費用の目安も解説

「シニア期の愛犬、元気そうに見えるけれど、本当に健康なのかな?」

シニアのワンちゃんに健康診断が必要なのか、迷ったことはありませんか?

また健康診断を受けさせようと思っても、どんな検査をすれば良いのか、費用はどれくらいかかるのか分からないと心配ですよね。

この記事では、シニア犬に健康診断が必要かどうか、健康診断ではどのような項目を検査するのかについてお伝えします。

シニアのワンちゃんを飼っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

シニア犬に健康診断は必要なの?

シニア犬にこそ健康診断は必要です。

なぜなら人間同様、健康診断は病気の早期発見と早期治療につながるからです。

犬は自分の不調を言葉で訴えることができません。

シニア期に入った愛犬の健康状態を把握するためにも、健康診断を受けましょう。

 

シニア犬の健康診断で行われる主な検査項目

シニア犬が行う健康診断には、主にどのような検査項目があるでしょうか。

病院により異なりますが、主な検査項目は次の通りです。

  • 身体検査
  • 血液検査
  • 尿検査・便検査
  • レントゲン検査・エコー検査

それぞれについて詳しくお伝えします。

 

身体検査

獣医さんがペットの全身状態をチェックする、非常に重要で基本的な検査が身体検査です。

特別な機器は使いませんが、愛犬の全身状態を短時間で把握できます。

身体検査では視診・触診・聴診により、次の5つのポイントをチェックします。

  • 目・耳・口:白内障や歯周病の進行具合、外耳炎の有無など
  • 皮膚・被毛:しこり(腫瘍の可能性)や炎症、脱毛の有無など
  • リンパ節:腫れ・異常な熱の有無
  • 心臓・肺:心臓の雑音、呼吸器系の異常音など
  • 体重・体型:適正な体型、急激な体重変化についてのチェック

このように、身体検査はペットの全身状態を短時間で把握する重要な検査なのです。

 

血液検査

血液検査は、体内の異常を数値として定量的に見る検査です。

血液を採取し「血球検査」と「血液生化学検査」の2つに分けて詳細にチェックします。

  • 血球検査:赤血球・白血球・血小板などの数値を調べ、貧血や炎症、感染症の有無をチェックする
  • 血液生化学検査:肝臓・腎臓・血糖値・コレステロールなど、内臓の機能や代謝の状態をチェックする

シニア犬の場合、血液検査は腎臓病・肝臓病・糖尿病の3つの病気の早期発見に有効です。

特に腎臓病は発症してから治療を始めても完治が難しいため、血液検査での早期発見は重要で、愛犬のQOL向上につながります。

 

尿検査・便検査

尿検査・便検査は、採取した尿と便を使う検査で、視診・比重測定・化学検査・顕微鏡検査などを行います。

尿検査は、腎臓や膀胱などの泌尿器系の病気の早期発見に欠かせません。

尿検査では、血液検査で腎臓の数値に異常が出るよりも、さらに早い段階で尿に異常が見つかることがあります。

便検査は、下痢や嘔吐などの症状がない場合でも、腸内に潜む寄生虫や消化器系の異変を見つけるために重要な検査です。

 

レントゲン検査・エコー検査

レントゲンやエコー検査は体内を画像化して、臓器の形や大きさに異常がないかを調べる検査です。

レントゲン検査では、心臓の大きさや形・肺の異常・臓器の位置や異物の有無などを把握できます。

エコー検査では、初期の小さな腫瘍が臓器内部にできていないかどうかチェックするのに非常に有効です。

早期に異常が発見できればその後の治療の選択肢が増え、治癒の可能性も高まります。

 

シニア犬の健康診断に関するよくある疑問

シニア犬の健康診断について、どのような疑問が多いのでしょうか。

よくある疑問は以下の2つです。

  • 適切な健康診断の頻度
  • 健康診断でかかる費用の目安

それぞれについて説明します。

 

シニア犬の適切な健康診断の頻度は?

シニア犬の適切な健康診断の頻度は、半年に1度です。

犬は、人間の約4倍〜7倍の速さで年を取ると言われています。

つまり、半年に1回の健康診断も、人間で言えば約2〜3年に1回に相当するのです。

シニア期のワンちゃんの健康状態をチェックし、また病気を早期発見するために、半年に1度の健康診断をお勧めします。

 

参考サイト:【獣医師監修】犬の年齢は人間で何才?~計算式や寿命、老化のサインなど~|いぬのきもちWEB MAGAZINE

 

シニア犬の健康診断でかかる費用の目安は?

シニア犬の健康診断にかかる費用は、一般的に5,000円~30,000円程度が目安です。

費用は動物病院や検査項目の数によって変わります。

持病の有無により検査項目の追加をした方が良い場合もあるので、健康診断の内容について獣医師に相談するとよいでしょう。

ペット保険に加入している場合でも、予防医療に分類される健康診断の費用は適用外となるケースがほとんどです。

そのため、事前に加入している保険の補償範囲を確認することをお勧めします。

 

参考サイト:犬の健康診断にかかる費用はどれくらい?受けるべき年齢や頻度についても紹介 | 動物病院サプリ

 

健康診断当日の注意点

健康診断当日の注意点として、どのようなことがあるでしょうか。

愛犬の負担を最小限に抑えるため、飼い主さんが事前に準備できる大切なポイントがあります。

  • 事前に食事制限の有無を確認する
  • 予約時間の少し前に受付を済ませる
  • 愛犬の些細な変化をメモにして持参する

それぞれについて説明します

 

事前に食事制限の有無を確認する

健康診断当日は食事制限が必要かどうか、事前に確認しましょう。

血液検査では、正確な血糖値やコレステロールなどの数値を測定するため、絶食が必要となるケースが一般的です。

予約時に必ず絶食や絶水に関する指示があるか、ある場合は、何時間前から必要かを病院に確認しておきましょう。

 

予約時間の少し前に受付を済ませる

検査当日は、予約時間の少し前に来院し、受付を済ませましょう。

尿検査を行う健康診断では、できるだけ新鮮な尿が必要となります。

予約時間の10分から15分ほど前に来院し、愛犬が落ち着いて排尿できる場所を見つけましょう。

病院で排尿が難しい場合に備えて、自宅で朝1番の尿を清潔な容器に入れて持参しても良いかどうか、事前に相談しておくと安心です。

このように、健康診断当日は準備が大切です。

 

犬の些細な変化をメモしておく

犬の様子や些細な変化をメモしておきましょう。

飼い主が気付く小さな変化が病気の早期サインであることも多いからです。

普段の愛犬の様子や些細な変化は、飼い主が1番把握しています。

獣医師は検査のデータだけでなく、普段の様子からもいろいろな診察のヒントを得ています。

次の4つについてのメモは診断に有効です。

  • 飲水量の変化
  • 排泄の変化
  • 行動の変化
  • 食欲の変化

診察室で愛犬の様子を伝えるため、些細な変化をメモや写真・動画に残しておきましょう。

 

まとめ

シニア犬の体調について、健康診断でのチェックが必要なのか迷いますよね。

また健康診断を受けさせようと思っても、検査項目や費用が分からないと困ってしまいます。

この記事では、シニア犬に健康診断が必要かどうか、健康診断ではどのような項目を検査するのかについてお伝えしました。

愛犬がシニアになり、体調が気になっている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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