不登校の中学生の進路はどうする?親にできるサポートを経験者が解説

我が子が不登校になると、親は今後の進路などを考え悩んで辛くなりがちです。

しかし、悩みすぎると誰かを責めたり子供や家族との関係が悪化したりと、ますます苦しくなってしまうことも。

本記事では、不登校の中学生に考えられる進路や、親にできるサポートを筆者の経験を交えてご紹介します。

不登校のお子さんの進路でお悩みの方はぜひ参考にしてくださいね。

 

不登校の中学生に考えられる進路【進学する場合】

不登校の中学生に考えられる進路として、進学する道を選んだ場合にはどんな方法があるのでしょうか。

次の5つについて説明します。

  • 全日制高校
  • 通信制高校
  • 定時制高校
  • 高等専修学校
  • 高専

 

全日制高校

不登校の中学生の進路として「全日制高校」に進学する道があります。

全日制高校とは、基本的にクラス全体で同じ授業を行う一般的な高校をいいます。

同じ時間帯に他の生徒と一緒に授業を受けたり、さまざまな行事や部活動を通してコミュニケーションを取ったりできます。

そのため、規則正しい生活を送りながら多くの友達を作れる高校といえます。

不登校の中学生が全日制高校に進学したい場合は、公立高校よりも私立高校が有利です。

公立高校は、入学審査において試験の点数に加え中学校での内申点も考慮の対象となり、内申点で不利となるケースがあるからです。

私立高校では、内申書の点数を問わない受験方式を取っている高校もあります。

また、受験科目が国語・数学・英語の3教科という私立高校も数多くあるため、受験勉強の対策が短期間でも可能です。

 

通信制高校

「通信制高校」に進学するのも、不登校の中学生に考えられる進路の1つです。

通信制高校とは、毎日学校に通う必要がない高校です。

中学校で不登校になった生徒たちを積極的に受け入れてもらえます。

卒業に必要な単位を取得する方法で、レポート提出やテストを受けながら最小限での登校が可能です。

また、通信制高校の入学試験は筆記試験ではなく、面接や作文といった方式を取っている学校が多いといいます。

通信制高校は、生徒のペースに合わせて通える自由な校風で、不登校の中学生も受験しやすい高校です。

 

定時制高校

不登校の中学生の進路には「定時制高校」に進学する方法もあります。

定時制高校とは、元は夜間に授業を受ける学校でしたが、最近は午前や昼間の時間帯でも授業を実施している学校が増えています。

定時制高校も、不登校だった生徒や全日制高校からの転入生、社会人として働きながら勉強したい人などあらゆる人を受け入れている学校です。

ただし、通信制高校よりも教師やクラスメイトと接する機会が多いといえます。

通信制高校か定時制高校かで迷った場合の選択基準にしてください。

定時制高校は、さまざまな環境の人が共に学べる高校です。

 

高等専修学校

不登校の中学生が考えられる進路に「高等専修学校」に進学するという選択もあります。

高等専修学校とは、中学卒業者を対象とする専門知識を学べる中等教育機関です。

文部科学省で定められた次の8分野を専門的に学べます。

  • 工業
  • 農業
  • 医療
  • 衛生(調理・理容・美容)
  • 教育・社会・福祉
  • 商業実務
  • 服飾・家政
  • 文化・教養

3年制の高等専修学校は、大学入学資格付与校といい、卒業後は資格を取得できます。

高等専修学校は、一般の高校にはない多種多様な教育がなされている高校です。

 

 高専

「高専」に進学するのも、不登校の中学生に考えられる進路の1つです。

高専とは、5年一貫教育で、技術者育成のための高等専門学校をいいます。

中学校卒業者を対象とし、将来の就職に直結する技術を学べる高等教育機関です。

工業系を学ぶ学校が多いものの、商船学科や経営情報について学べる学校もあります。

教室での勉強のみならず、実習や実験を行いながら学ぶのが特徴です。

現場で即戦力となる技術者として就職を目指す人にとって、高専は最適な高校となります。

 

 不登校の中学生に考えられる進路【就職】

不登校の中学生に考えられる進路として、進学せずに「就職をする」という選択があります。

早くから社会に出ることで、収入を得る意義や難しさを学べるはずです。

ただし、高校や大学卒業後に就職する人と比べ、年収はかなり下回る傾向にあります。

中学卒業者が就職するには、職選びにおいても、肉体労働など一部の業種に限られてしまいがちです。

一旦就職して、働きながら定時制高校や通信制高校で学び、高校卒業を目指す方法もあります。

 

不登校の中学生に考えられる進路【独学で高卒認定試験】

独学で「高卒認定試験」に合格するのも、不登校の中学生に考えられる進路選択の1つです。

高卒認定試験(高認)とは、高校卒業資格者と同等の学力があると認定される試験をいいます。

試験に合格し高認を取ることで、大学や短大、専門学校の受験資格が得られるのです。

ただし高卒とは認められないため、大学等に進学後中退してしまった場合、「中卒」となる点については注意が必要です。

 

不登校の中学生の進路はどう決めた?筆者の経験談

実際に、中学不登校だった我が子が進路をどう決めたかについて、母である筆者の経験をお話しします。

不登校となった当初は、できる範囲でプリントやテストも受けていました。

しかし、授業を受けていなければ問題も解けなくなり、勉強から少しずつ遠ざかっていったのです。

私は、担任の先生方や教育相談センターという専門機関の先生も加わった相談会に参加し、進学について必死に模索していました。

ただ、子供自身はまだ勉強や進路について考えられる状態ではなかったのです。

私たち家族は、最終的には生きていてくれさえすれば、高校なんて行けなくても良いと思い始めていました。

母親である私の肩の力が抜けたせいか、しばらくすると息子の方から通信制高校について尋ねてきたのです。

私はすぐに何校かのパンフレットを取り寄せ本人に渡しました。

すると、サッカー部だった息子は「フットサルのクラブがある高校がいい!」と伝えてくれたのです。

そして、オープンスクールに参加したり面接を受けたりした結果、本人が決めた通信制高校に進学が決まりました。

親は子供が助けを求めて来たときに、一番の味方であり、頼れる存在となることが重要なのだと改めて思いました。

 

不登校の中学生が進路を決めるためにできる親のサポート

不登校の子供が進路を決めるために親ができるサポートには、どんなことがあるのでしょうか。

5つあるサポートについて説明します。

  • 子どものことを知ることから始める
  • 子どもの意見を尊重する
  • 進路に関する情報収集をする
  • 先生やカウンセラーに相談する
  • 不登校の子を持つ親と交流する

 

子どものことを知ることから始める

不登校の子供が進路を決めるために、親は子供のことを知ることから始めましょう。

まずは不登校のきっかけとなった出来事や、学校生活での様子について知る必要があります。

子供本人が教えてくれるケースもありますが、自分の気持ちや学校に行けない理由を、混乱のなか順序立てて話せない子がほとんどです。

担任の先生やお友達の親御さんなどに尋ねてみるのもいいかもしれません。

子供が話せるようになったときは、じっくりと話を聞いてあげてください。

不登校の解決への道筋は、親が子供のことを知ることから始まります。

 

子どもの意見を尊重する

子どもの意見を尊重するのも、親にできるサポートの1つです。

不登校になって苦しんでいる子供に対し、学校に行くよう促したり、今後についてどうするのかと問い正したりするのはやめましょう。

子供自身が混乱し、あらゆる気力や体力、思考力が低下しているからです。

まずは、子供の気持ちや意見を尊重し、ゆっくり充電させてあげてください。

安心して休むことで、少しずつ前向きになれるはず。

充電し気持ちが落ち着いたら、今後について自分の考えをまとめることもできます。

回復してきた頃に様子を見ながら、今後どうしたいのか、子供の意見を尊重しつつ親子で話し合ってみることをおすすめします。

 

進路に関する情報収集をする

不登校の子供が進路を決めるにあたって、親ができるサポートとしては、進路に関する情報収集ができます。

今後の進路について親子で話し合う際の参考資料となるため、親としてしっかりと情報収集しておきましょう。

我が子に合う進路はどれか、本人が希望したときに相談にのれるよう資料に目を通しておくことが大切です。

子供が今後の進路について考えられるようになったときは、集めた資料が役に立ちます。

 

先生やカウンセラーに相談する

不登校の子供が進路を決めるとき、先生やカウンセラーに相談するのも親としてできるサポートの1つです。

子供が不登校になると、親も混乱し何をしてあげたら良いか戸惑うことが多いはず。

身近な相談先として、学校の先生やスクールカウンセラーを頼ることをおすすめします。

学校での様子や不登校になってしまった原因などを探り、解決への糸口が見つかる可能性があるからです。

また、親自身の苦しみにも寄り添ってもらえます。

先生やカウンセラーは心強い身近な相談役となります。

 

不登校の子を持つ親と交流する

不登校の子を持つ親と交流するのも、不登校の子供が進路を決めるためにできるサポートです。

身近な学校の先生やカウンセラー以外にも、児童相談所や民間団体で不登校を支援するところがあるのです。

例えば、不登校の子供を抱える親の会などを利用すれば、同じ境遇の人と親同士同じ悩みや思いを吐露したり励まし合ったりできます。

また、今後について何かのヒントやきっかけが得られるかもしれません。

第三者とつながることは、親ができる大切なサポートであり、親自身が前向きになれる居場所をもつことにもなるのです。

 

まとめ

不登校の中学生をもつ親は、今後の進路をどのように考えたら良いのかと悩みがちです。

しかし、悩みすぎると本人や家族との関係が悪化してしまうことも。

本記事では、不登校の中学生に考えられる進路や、親にできるサポートを筆者の経験を交えてご紹介しました。

不登校のお子さんの進路にお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

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