面前DVが子供に与える影響とは?子供を守るための相談先も紹介

「面前DVを受けると、子供はどうなるの?」

面前DVが、子供の心身にどのような悪影響を与えてしまうのか不安ですよね。

本記事では、面前DVが子供に与える影響について解説します。

子供を守るための相談先についても解説しているので、面前DVについて不安のある方は参考にしてくださいね。

 

面前DVとは

面前DVとは、18歳未満の子供の目の前で家族(配偶者)に対して殴る蹴るなどの「身体的暴力」や、侮辱したりどなったりする「精神的な暴力」をふるう状況のことです。

2004年に児童虐待防止法が改正され、子供の面前で一方の親がもう片方の親に暴力をふるうことは、児童への心理的虐待にあたるという定義が付け加えられました。

親に子供を巻き込む意図はなくても、激しい夫婦の言い争いや対立、一方の親が暴力という手段で相手を鎮圧する事態が子供の前で起これば面前DVになります。

殴ったり蹴ったりする身体的な暴力だけでなく、暴言も同様です。

警察庁の統計では、身体的な虐待やネグレクトも増えていますが、面前DVが近年著しく増加しています。

警察が家庭に子供がいるDV事案に関わった場合、児童相談所への通告が徹底されてきているためだと考えられます。

(参考:東京すくすく

 

面前DVが子供に与える影響

面前DVが子供に与える影響には、 どのようなものがあるのでしょうか?

主な影響は8つあります。

  • 問題解決のために暴力をふるうようになる
  • 感情のコントロールができなくなる
  • 学習能力が落ちる
  • 自己肯定感が下がる
  • 不安から夜尿症になる
  • 不登校になる
  • うまく人間関係が築けなくなる
  • 家に寄り付かなくなり非行にはしる

詳しく説明します。

 

問題解決のために暴力をふるうようになる

面前DVの影響で、子供が暴力をふるうようになる可能性があります。

DVは、支配とコントロールの上に成り立っていると考えられています。

子供がDVを目撃すると、強者が弱者を支配するのが当たり前のことで、弱い方が悪いと捉えてしまうようになるのです。

すると、子供も自分の思うようにならないことがあると、DV加害者と同じように暴力で解決しようとしてしまいます。

 

感情のコントロールができなくなる

感情のコントロールができなくなりやすいのも、面前DVを受けている子供の特徴です。

暴力や暴言を目撃すると、子供は自分の心を守るために、恐怖や不安などの感情を抑制することがあります。

感情を過度に抑制するとストレスが限界を超え、一気に感情が爆発してしまいコントロールできなくなるのです。

 

学習能力が落ちる

子供の学習能力が落ちてしまうのも、面前DVによる影響だと考えられます。

安心感を得られるはずの家庭で面前DVが起こると、子供は常に心理的な不安定感を抱えることになります。

すると、集中して学習できなくなり、学力が落ちてしまう恐れがあるのです。

近年の研究では、面前DVは子供の脳にダメージを与えることが分かってきています。

家庭内で引き起こされる恐怖や不安などの感情によりストレスを抱えることで、子供の学力や集中力が低下してしまうのです。

(参考:日本心理学会

 

自己肯定感が下がる

面前DVを受けている子供は、自己肯定感が下がってしまいます。

子供は、自分の周りで起こることを「自分のせいだ」と思ってしまいやすい傾向があります。

暴力や暴言を目の当たりにすると、子供は自分が原因だと思い罪悪感を感じたり、「暴力を止められない」と無力感を持ったりするのです。

すると自己評価が低くなり、自己肯定感が下がって心の発達に悪影響を及ぼしてしまいます。

 

不安から夜尿症になる

面前DVが原因で、子供が夜尿症になる場合があります。

安全で安心できる場所であるはずの家庭でDVが起こると、子供は常に不安感や緊張を強いられるようになってしまいます。

不安や緊張を感じて常にストレスのかかる状態が続くと、自律神経のバランスが乱れ、膀胱に蓄えられる尿量も減少して夜尿症を引き起こしやすくなるのです。

 

不登校になる

面前DVを受けている子供は、不登校になってしまう恐れがあります。

子供は面前DVによるトラウマやストレスによって、集中力や判断力が低下し学習能力が落ちる場合があります。

学習への意欲低下から登校するのを拒否するようになるのです。

また、人間関係をうまく築けなかったり、ストレスにより頭痛・腹痛・吐き気などの身体症状が現れたりして、不登校につながるケースも多くみられます。

 

うまく人間関係が築けなくなる

子供がうまく人間関係を築けなくなるのも、面前DVの影響だと考えられます。

信頼できるはずの家族の暴力的な姿を目撃した経験によって、子供は他者への信頼を失ってしまう場合があるのです。

対人関係において、自己防衛的な態度をとるようになり、自ら交流を避ける傾向もみられます。

特に思春期以降、親密な関係を築きにくくなるなど、対人関係に困難を抱えるケースも少なくありません。

信頼できる人を見つけられない状況では、孤独感や不安感が強くなり、精神的に追い込まれてしまいやすいのです。

 

家に寄り付かなくなり非行にはしる

面前DVを受けている子供は、家に寄り付かなくなり非行にはしるケースが多くみられます。

DVが起こり、安全・安心感のない場所である家庭に寄り付かなくなるのです。

トラウマや不安感などの心理的な問題から、自ら社会とのつながりを避けてしまい、孤独感や不安感から非行にはしる場合があります。

幼い頃は大人しく引きこもっていた子供が、思春期以降に突然非行にはしるケースもみられます。

 

面前DVに悩んだときの相談先

面前DVに悩んだときはどこに相談すればいいのでしょうか?

主な相談先は次の3つです。

  • DV相談窓口
  • 警察
  • 弁護士

詳しく説明します。

 

DV相談窓口

面前DVに悩んだときには、DV相談窓口に相談しましょう。

DVに関しては、自治体に設置されている配偶者暴力支援センターに相談できます。

相談・カウンセリングや緊急性の高い場合は、一時保護などもフォローしている機関です。

緊急性の低い場合にも、今後どうしていきたいかなど、気持ちの整理をするだけでも精神的に楽になれるものです。

どこに相談すれば良いか分からない場合には、全国共通の電話番号「#8008」から相談機関を案内するDV相談ナビサービスを受けられます。

また、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に電話をかければ、近くの児童相談所につながります。

(参考:男女共同参画局

(参考:男女共同参画局

(参考:厚生労働省

 

警察

面前DVに悩む場合は、警察への連絡も検討しましょう。

DVの被害者は、罪悪感を抱えていたり感情が麻痺したりして、SOSを出さなければならない状況に気づけなくなってしまっている恐れがあります。

身体的精神的な被害が明らかな場合は、まずは医療機関に相談するのも選択肢の1つです。

緊急性の高い場合や身の危険を感じる場合は、ちゅうちょせず警察に連絡をしてSOSを出しましょう。

 

弁護士

面前DVに悩み、離婚なども視野に入れている場合は、弁護士へ相談するのが良いでしょう。

裁判などになった場合、DV被害を示す証拠を提示できるかどうかが重要です。

写真や診断書、罵詈雑言の文言が記されたメール・LINEなど、証拠を集めておきましょう。

ただし、身の安全が確保されている上で証拠を集めるようにしてください。

緊急性の高い場合は、まずは配偶者暴力支援センターや警察署、医療機関などに連絡しましょう。

 

まとめ

面前DVによって子供がどういう悪影響を受けるのか、親としては心配ですよね。

本記事では、面前DVが子供に与える影響について説明しました。

子供を守るための相談先についても解説しているので、面前DVなどの不安がある方は、本記事を参考に相談機関に相談してくださいね。

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