キリスト教の葬式については、信者でない限りなかなか馴染みがありません。

しかし、葬儀のマナーを知らないと葬儀が滞り周囲に迷惑がかかってしまうことも。

本記事では、キリスト教の葬儀の流れやマナーについて、身内がキリスト教の葬儀を行ったことのある筆者が紹介します。

キリスト教の葬儀のことはまったく分からなくて、葬儀に参列するのが不安だという方は参考にしてくださいね。

 

キリスト教のお葬式の流れ

キリスト教のお葬式の流れは、どんな感じでしょうか？

宗派は主に2つあり、それぞれお葬式の流れが異なります。

 

• カトリックの場合
• プロテスタントの場合

 

詳しく説明します。

 

カトリックの場合

カトリックのお葬式の場合は、葬儀と告別式を別々に行います。

葬儀の流れとして、神父（教職者）を先頭に参列者が入場し開式から葬儀のミサを行います。

ミサとは、神に祈りを捧げワインとパンを全員で頂く典礼で、カトリック教会で最も重要な儀式のことです。

告別式は、入場→聖歌斉唱後→弔事・弔電紹介→献花→喪主挨拶という流れで行われます。

 

プロテスタントの場合

プロテスタントのお葬式の場合は、葬儀と告別式に分かれておらず葬儀の流れとしては次の通りです。

 

1. 入場
2. 牧師（教職者）の聖書朗読と祈祷・説教
3. 弔事・弔電紹介
4. 黙祷
5. 讃美歌合唱
6. 献花
7. 喪主挨拶
8. 出棺

 

プロテスタントはカトリックから分離した宗派で、葬儀の流れに違いがあります。

 

参照元：西日本典礼　大分典礼

 

参照元：シオン

 

キリスト教のお葬式のマナー

キリスト教のお葬式のマナーとはどんなことがあるのでしょうか？

主なキリスト教のマナーは2つです。

 

• 服装は仏式のお葬式でのマナーと基本的に同じ
• お悔やみの言葉は控える

 

詳しく説明します。

 

服装は仏式のお葬式でのマナーと基本的に同じ

キリスト教のお葬式の服装は、仏式のお葬式でのマナーと基本的に同じです。

男性の場合は喪服またはダークスーツで、女性の場合は喪服または黒のスーツかワンピースが良いでしょう。

結婚指輪と真珠のネックレス以外は、付けないのが無難です。

ネット付きの帽子（トークハット）は、喪主や親族のみが許されているアイテムです。

 

参照元：TEAR

 

お悔やみの言葉くは控える

キリスト教のお葬式では、お悔やみの言葉は控えましょう。

死を不幸だと感じさせてしまうような言葉はかけてはいけないからです。

受付の際に、「故人様が安らかに眠られますよう、お祈りしています」などの声をかけるのが一般的です。

死は天国に召されることで、喜ばしいことと解釈します。

キリスト教と仏教とでは、死に対する考え方の相違があるため、「成仏」「供養」「冥福」「往生」などは口にしてはいけません。

 

参照元：Ｃ・S・Ｃ

 

参照元：あすかセレモニ株式会社

 

キリスト教のお葬式に関するよくある疑問

キリスト教のお葬式に関するよくある疑問とはどのようなことでしょうか？

主に3つの疑問とその答えを紹介します。

 

• 聖歌や讃美歌を歌えない場合はどうしたらいい？
• 数珠は持っていくべき？
• お香典は渡すの？

 

聖歌や讃美歌を歌えない場合はどうしたらいい？

聖歌や讃美歌の歌詞が分からない場合は歌わなくても問題ありません。

聖歌や讃美歌は日本では馴染みがうすいため、歌詞が分からない人も多いと考えられます。

筆者の身内の葬儀の時は、キリストの葬儀に関して誰も知らなかったのでとても不安でした。

カトリックは「聖歌」、プロテスタントは「讃美歌」と呼ばれ、教派によって違います。

教会での葬儀は、参列者の信者の方々が聖歌・讃美歌を歌ってくださり、葬儀は滞ることなく済み大変助かったのを記憶しています。

参列者には歌詞カードが配られることもあるので、できるだけ一緒に斉唱してみましょう。

 

参照元：ベルホール吉池

 

数珠は持っていくべき？

数珠は仏具であるため、自身が仏教徒であっても数珠を持参してはいけません。

キリスト教の葬儀は、仏式の線香の代わりに白い花の献花を行いますが、会場に用意されているので持ち込む必要はありません。

 

参照元：オークスセレモニーセンターよりそうお葬式

 

お香典は渡すの？

キリスト教のお香典を渡すタイミングは、通夜式か前夜式または、追悼ミサの時に袱紗（ふくさ）に包み受付に渡すのが一般的です。

受付がどこにあるか分からない場合は、通夜もしくは葬儀の前後に喪主か遺族へ渡します。

ただし、葬儀の直前で喪主が多忙の時は遠慮した方がよいでしょう。

キリスト教ではお線香の代わりとして、白い生花を差し上げるしきたりで、「香典」ではなく「御花料」を生花の代わりに包みます。

キリスト教用の香典袋があるので、購入するといいでしょう。

カトリックとプロテスタントでは御花料の呼び方に違いがあるので注意が必要です。

カトリックは「御花料」「ご霊前」「御ミサ料」、プロテスタントでは「御花料」「お花料」「忌慰料」が使われます。

 

参照元：知っておきたい葬儀の知識

 

まとめ

日本では、仏式の葬儀が多くキリスト教の葬儀の経験がない人も多いですよね。

キリスト教は、カトリックとプロテスタントの教派によってマナーに違いがあるので気をつけなければいけません。

事前に葬儀の流れやマナーを一通り頭に入れておけば、遺族や周囲の方々に気持ちよく故人を見送れます。

本記事では、キリスト教のお葬式に参列する方に、葬儀の流れとマナーについて紹介しました。

ぜひ本記事を参考に、故人や遺族を不快にさせないために落ち着いた気持ちで参列してくださいね。