日本のお葬式といえば、知人・友人・近隣を呼んで盛大に見送る「一般葬」が故人への手向けとされてきました。
しかし最近では費用などの面から、身内だけで執り行う家族葬を選択する家庭も増えています。
実際、家族葬の費用は一般葬の2分の1というデータも。
本記事では、実際に家族葬を行った筆者の経験をもとに、葬式費用の相場や家族葬で執り行うメリットとデメリットを解説します。
葬式費用の相場や家族葬に興味のある方は、参考にしてくださいね。
家族葬とは?
家族葬とは、家族や近親者だけで催す「小さな葬儀」「簡素な葬儀」のこと。
新聞告知や町内会への告知はせず、呼びたい人にだけ声をかける葬儀スタイルです。
家族葬には、家族・親族・ごく親しい友人などが参列し、10人〜30人ほどで行うのが一般的です。
(参考図書:家族葬ハンドブック・主婦の友社)
【家族葬】葬式費用の相場は?
家族葬の費用の相場はどのくらいなのでしょうか?
次のような視点で説明します。
- おおよそ100万円前後
- 家族葬と一般葬の費用の差は約2倍
くわしくみていきましょう。
おおよそ100万円前後
家族葬の費用の相場は、おおよそ100万円前後といわれています。
2017年の日本消費者協会調べによると、家族葬の平均的な費用は、80万円〜190万円なのだとか。
僧侶への謝礼・お布施は含まれていない、葬儀基本費用と飲食接待費となります。
(参考図書:家族葬ハンドブック・主婦の友社)
家族葬と一般葬の費用の差は約2倍
家族葬の費用は、一般葬の半分ほどで済むといわれています。
一般葬は、参列者の制限がなく、会葬者の人数を前もって把握することがむずかしいからです。
予測で準備をするため、広い斎場を使用し、もてなし費用の飲食代・返礼品代が人数により変動するため費用がかかります。
家族葬に比べると、費用が約2倍というのは納得せざるをえません。
(参考図書:ちいさなお葬式・小学館)
【家族葬】葬式費用の内訳相場は?
家族葬の費用の内訳はどのようなものがあるでしょう?
葬式費用の内訳は3つあります。
- 葬儀一式の費用
- 会食の費用
- 寺院に支払う費用
くわしく説明します。
葬儀一式の費用
家族葬の費用の内訳の1つは、葬儀一式の費用です。
葬儀一式の費用とは、一般的に必要最小限のもの一式のこと。
葬儀で最低限必要となるのは、以下のようなものです。
- 祭壇
- 棺
- 骨壺
- 白木位牌
- 遺影写真
- 花束
- ドライアイス
- 霊柩車
祭壇や棺を豪華にしたりなどグレードを上げると、必然的に金額もアップします。
(参考図書:家族葬ハンドブック・主婦の友社)
会食の費用
会食の費用は、家族葬の費用の内訳の1つです。
もてなしの費用として、通夜ぶるまい・精進落とし・会葬礼状・会葬返礼品などの費用がかかります。
会食費用は、会葬者数で変動する部分となります。
(参考図書:家族葬ハンドブック・主婦の友社)
寺院に支払う費用
家族葬の費用の内訳の1つは、寺院に支払うお布施です。
お布施は、下記のような僧侶のお務めへのお礼として支払うお金です。
- 枕経
- 通夜や葬儀の読経
- 告別式の時の読経
- 初七日の読経
- 戒名代
- お車料
お布施には定価がありませんので、いくら包むかは直接お寺に相談することをおすすめします。
(参考図書:家族葬ハンドブック・主婦の友社)
相場が安いだけではない!葬式を家族葬で執り行うメリット
家族葬にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
家族葬のメリットは2つあります。
- 故人や遺族の希望を取り入れやすい
- 遺族の体力的・精神的な負担が少ない
くわしく説明します。
故人や遺族の希望を取り入れやすい
家族葬のメリットの1つ目は、故人や遺族の希望を取り入れやすいことです。
家族葬は故人を大事に思う人たちが集まり、十分な時間をかけて故人を送るという、弔いの原点に立った葬送方法です。
筆者の場合、父が亡くなる前にどんなお葬式にして誰を呼びたいかなどを話し合っていたので、父の希望していた葬儀を執り行うことができました。
故人や遺族にとって後悔のないお別れを実現しやすいことは、家族葬の大きな魅力だといえます。
(参考図書:ちいさなお葬式・小学館)
遺族の体力的・精神的な負担が少ない
家族葬のメリットの2つ目は、遺族の体力的・精神的な負担が少ないことです。
参列者が少ない分、気遣いや心労が減り故人とゆっくりお別れの時間を取ることができます。
筆者の父の家族葬でも、父が日々親しくしていた人だけで、穏やかで温かみのある葬儀を執り行いました。
家族葬は、遺族の心のケアを重視する葬儀といえるでしょう。
(参考図書:ちいさなお葬式・小学館)
相場が安くても注意が必要!葬式を家族葬で執り行うデメリット
家族葬にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
デメリットは2つあります。
- 参列者の限定に配慮が必要になる
- 葬儀後の負担が大きくなる可能性がある
くわしく説明します。
参列者の限定に配慮が必要になる
葬式を家族葬で執り行うデメリットの1つ目は、参列者の限定に配慮が必要になることです。
家族葬では「この人は呼ぶ」「この人は呼ばない」という線引きをすることになるため、慎重に参列者を選定しないとのちにトラブルになる可能性があります。
新しい形の葬儀なので、周囲の人に理解を得られないことがあるのです。
故人の強い意志であること、生前から家族でよく話し合った結果であることを伝え、葬儀に呼ばなかった人の理解を得ることが大切です。
(参考図書:ちいさなお葬式・小学館)
葬儀後の負担が大きくなる可能性がある
葬式を家族葬で執り行うデメリットの2つ目は、葬儀後の負担が大きくなる可能性があることです。
呼ぶ人をごくせまい範囲に限ってしまうと、後日自宅を訪れる弔問客が逆に増えるという可能性があるのです。
実は筆者も、父が亡くなった際に家族葬を経験したのですが、母は弔問客が数日間続いたと言っていました。
自宅への弔問客の対応がむずかしいと感じるのであれば、思い切って葬儀に呼ぶ人の範囲を広げるほうがいいのかもしれませんね。
(参考図書:家族葬ハンドブック・主婦の友社)
まとめ
日本のお葬式といえば、親族・知人に盛大に見送られる一般葬が主流でした。
しかし、コロナ禍によって葬儀の形態が変化してます。
本記事では、実際に家族葬を行った筆者の経験をもとに、家族葬の費用相場や家族葬のメリットとデメリットを解説しました。
葬式費用の相場や家族葬に興味のある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
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