発達障害なのか?イヤイヤ期の癇癪がひどいのか?違いが知りたい!

 

「イヤイヤ期の癇癪がひどすぎる……」

「これってもしかして発達障害?」

イヤイヤ期のお子さんを育てている方の中には、このような疑問を持つ方も多くいらっしゃると思います。

イヤイヤ期とはいえ、あまりにも癇癪がひどいと発達障害なのではと心配になりますよね。

一見区別がつかなさそうなイヤイヤ期と発達障害ですが、それぞれの特徴には違いがあります。

それぞれの特徴を理解していれば、イヤイヤ期と発達障害の違いに早めに気付けます。

本記事では、発達障害とイヤイヤ期の違いについてご説明します。

さらにそれぞれに対して親としてできることもご紹介するので、お子さんのひどい癇癪でお困りの方は、ぜひ参考にしてくださいね!

 

そもそも発達障害とは?

まずは発達障害とは何かをご説明します。

発達障害とは、発達障害支援法によると

自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が低年齢において発現するもの

引用:文部科学省 発達障害者支援法

とあります。

親のしつけや本人の怠慢が原因ではなく、生まれつきの脳の機能によって現れる特性のことです。

発達障害を大きく分けると、以下の3種類があります。

  • ASD(自閉スペクトラム症)
  • ADHD(注意欠陥多動症)
  • LD(学習障害)

どの発達障害にも共通して以下のようなイヤイヤ期と類似する特性があります。

  • 癇癪を起こす
  • 話を聞かない
  • こだわりが強くなる
  • 物を投げる

これらの特性が、脳の機能障害によって起こるのが発達障害です。

 

イヤイヤ期とは?どんな特徴があるのか

イヤイヤ期とはどんなもので、どんな特徴があるのかをご説明します。

イヤイヤ期についての特徴は以下の3つです。

  • 自我の芽生えに伴い周りに反発する時期のこと
  • 言葉でうまく伝えられないため泣いたり怒ったり癇癪を起こしたりする
  • 3〜4歳で落ち着く子が多い

詳しくみていきましょう。

 

自我の芽生えに伴い周りに反発する時期のこと

イヤイヤ期とは、自我の芽生えに伴い周りに反発する時期をさします。

多くの子が2歳前後で現れます。

何を提案しても「イヤ!」ということが代表的な特徴です。

自己主張が強くなり、思い通りにならないと泣き叫んだり床に寝転がったりもします。

ご飯を食べるのもイヤ、寝るのもイヤ、お着替えもイヤ……。

これらはその行動自体がイヤというよりは、子供が「自分で決めたい、自分でやりたい」という気持ちが強いために起こる反応です。

自我が芽生えたばかりで気持ちのコントロールもまだ苦手なため、周囲に反発しているような態度をとってしまうのです。

このように、自我の芽生えに伴い周りに反発する時期のことをイヤイヤ期といいます。

 

言葉でうまく伝えられないため泣いたり怒ったり癇癪を起こしたりする

イヤイヤ期の子供は、言葉で思いをうまく伝えられないために癇癪を起こします。

2歳前後は、成長に伴い感情や欲求が複雑になってきます。

ところが言葉の発達はまだ未熟なため、自分の思いを上手に言葉で表現できません。

自分の伝えたいことが伝わらないもどかしさから、泣いたり怒ったりして感情を表しているのです。

例えば、「お菓子が食べたい」と思っても、「どんなお菓子で」「どの場所で」「どんなお皿に乗せて」「どのくらいの量を」といった思いを伝えられずに、親が用意したお菓子が「違う!イヤ!」となるのです。

このように、イヤイヤ期の癇癪は単なるわがままで癇癪を起こしているのではなく、言葉でうまく伝えられないため泣いたり怒ったり癇癪を起こします。

 

3〜4歳で落ち着く子が多い

イヤイヤ期は3〜4歳頃になると落ち着く子が多くなります。

これは言葉が発達し、自分の気持ちを言葉で表現できるようになってくるからです。

自分の思いと違うことを言われたとしても、「違う、こっちの方がいい」などときちんと思いを伝えられるようになります。

また、自分の感情をコントロールできるようになってきます。

そのためイライラしても少し我慢ができ、別のことに気を向けられるようになってくるのです。

このように、永遠に続くかと感じるイヤイヤ期も3〜4歳で落ち着く子が多くなります。

 

発達障害とイヤイヤ期の違い

発達障害とイヤイヤ期とでは、行動そのものは似ている点が多いですが、よく見ると違いがあります。

違いのポイントを押さえることが、2つの違いを見分ける手助けになります。

見分けるうえでの大事なポイントは以下の3つです。

  • 不満の種が収まれば落ち着くかどうか
  • 特定の物や状態に対して反応が出るかどうか
  • 違いが見分けにくく悩んだら専門医に相談

詳しくみていきましょう。

 

不満の種が収まれば落ち着くかどうか

発達障害かイヤイヤ期の違いは、不満の種が収まれば落ち着くのかどうかをみましょう。

発達障害の子の場合は、感情のコントロールが難しい傾向にあります。

一度興奮すると、なかなか気持ちを静められずに引きずってしまいます。

そのため例え不満を感じた原因が解決したとしても、癇癪はすぐには落ち着きません。

一方でイヤイヤ期の場合は、不満なことが解決した場合は、癇癪が落ち着く場合がほとんどです。

例えば欲しいものが手に入ったり、自分でやりたかったことがうまくできたりすると、ピタリと癇癪が収まる時があります。

このように、不満の種が収まった時に、気分が落ち着くのかどうかが発達障害とイヤイヤ期を見分ける大きなポイントです。

 

特定の物や状態に対して反応が出るかどうか

発達障害かイヤイヤ期の違いは、特定の物や状態に対して反応が出るかどうかでも分かります。

発達障害の子は、こだわりや特定の物への執着が強いのが特徴的です。

もしもいつも同じ物や状態(おもちゃの位置や並べ方など)に対して癇癪を起こしているようだったら、発達障害の可能性があります。

一方で癇癪を起こす場面に一貫性はなく、特定の物や状態に対して反応しているというよりは気分で癇癪を起こしているようなら、イヤイヤ期の特徴といえます。

子供が癇癪を起こした時のパターンをよく見て、特定の物や状態に対して反応が出るかどうかを観察しましょう。

 

違いが見分けにくく悩んだら専門医に相談

発達障害とイヤイヤ期の違いが見分けにくく悩んだ場合は、専門医に相談することをおすすめします。

まだ幼い1〜3歳は、発達障害の特性の出方もイヤイヤ期の癇癪の度合いも人それぞれです。

そのため、発達障害とイヤイヤ期の違いの判断がとても難しい場合もあります。

違いが見分けにくい場合は、小児科医や発達の専門医に相談してみましょう。

専門家に相談することで、発達障害なのかイヤイヤ期なのか見極められる場合もあり、今後のアドバイスなどももらえます。

違いが見分けにくく悩んだら、早めに専門家に相談してみましょう。

 

発達障害やイヤイヤ期の子どもに親ができること

ここでは発達障害やイヤイヤ期の子どもに親ができることは何かをご紹介します。

発達障害であってもイヤイヤ期であっても、親のサポートが必要不可欠です。

適したサポートをすることで、子供の健やかな成長を支援できます。

それぞれに親ができることは以下の通りです。

  • イヤイヤ期は成長に必要な過程として理解し見守る
  • 発達障害は適切なサポートを受け成長にプラスの影響を与える

詳しくみていきましょう。

 

イヤイヤ期は成長に必要な過程と理解し見守る

イヤイヤ期は成長に必要な過程と理解して見守りましょう。

イヤイヤ期は決して親を困らせるための時期ではなく、子供が成長していくうえで大切な時期です。

今まで全部お世話してもらっていた赤ちゃんの時期から、自分で考えて自分で行動ができるようになるための、最初の成長の段階なのです。

子供が何をするのも「イヤ」と言ったとしても、親はその気持ちを否定せずに一旦受け止めましょう。

「イヤ」という自己主張も成長の証です。

子供の気持ちを受け止め、温かく接すると、子供は感情の落ち着かせ方を学んでいけます。

癇癪も成長に必要な過程なんだと理解をし、見守る姿勢を大事にしましょう。

 

発達障害は適切なサポートを受け成長にプラスの影響を与える

発達障害の場合は、適切なサポートを受けることで成長にプラスの影響を与えます。

発達障害には様々な特性や個性があり、それぞれに合わせたサポートが必要です。

早期から適切なサポートを受けられれば、得意なことを伸ばしたり、興味関心を広げたりでき、たくさんの個性として成長に良い影響を与えます。

療育を早期から始めたり、保育園や専門家などと連携して支援法を考えたりして、個々に合った適切なサポートを見つけていきましょう。

発達障害は適切なサポートを受けることで、成長にプラスの影響を与えるのです。

 

まとめ

発達障害とイヤイヤ期は行動が類似していますが、様子をよく観察するとその違いに気付けます。

お子さんが癇癪を起こした時は、本記事で紹介した発達障害とイヤイヤ期の違いをぜひ思い出してみてください。

そしてお子さんの行動を客観視してみると、何か気付くことがあるでしょう。

発達障害であってもイヤイヤ期であっても、この時期の育児で最も大切なのは、お子さんの行動をよく見て受け入れ、温かく成長を見守っていく姿勢です。

発達障害とイヤイヤ期、それぞれに合わせた適切な理解とサポートで、お子さんの癇癪を乗り越えていきましょう。

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