「発達障害の子供をうまく叱れない…」
「どうやって叱るのが効果的なんだろう」
発達障害のお子さんをお持ちの方や、発達障害の子供と関わりのある方の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
発達障害の子供の叱り方って難しいですよね。
発達障害の子供と向き合う時、「叱る」行為は1つのチャレンジです。
叱り方次第で、子供の心を傷つける可能性もあれば、逆に子供の成長を助けることもあるのです。
本記事では、発達障害の子供への効果的な叱り方や避けるべきポイントをお伝えします。
さらに成長を促すための具体的な方法についても解説します。
発達障害の子供への叱り方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね!
発達障害の子供への叱り方!気をつけるべきポイント
発達障害の子供は、言葉の理解や感情の受けとめ方が独特です。
そのため一般的な叱り方では、逆効果になる場合があります。
逆効果の叱り方をすると、子供の不安を強くしたり、自己肯定感を下げたりすることもあります。
ポイントをしっかりおさえて、効果的な叱り方をしましょう。
叱る際に気をつけるべきポイントは、以下の3つです。
- やってはいけないことを具体的にわかりやすく伝える
- やってはいけない理由を明確に伝える
- 発達障害がある子供が理解できない表現を避ける
詳しくみていきましょう。
やってはいけないことを具体的にわかりやすく伝える
発達障害の子供は、曖昧な言葉や抽象的な表現を理解しづらい傾向があります。
そのため、やってはいけないことを具体的に伝えることが必要です。
例えば、下記のように具体的に指示すると、子供はどのように行動すれば良いのか理解できます。
「ちゃんとしなさい」→「おもちゃを使い終わったら、この棚に片付けてね」
「おとなしくしなさい」→「今は椅子に座ってお話を聞く時間だよ」
やってはいけないことを具体的にわかりやすく伝えましょう。
やってはいけない理由を明確に伝える
発達障害の子供に「ダメ」とだけ伝えても、なぜその行動がダメなのか分からず、納得を得られないことがあります。
そのため、子供が理解できる言葉でやってはいけない理由を伝えることが大切です。
例えば、下記のように理由を明確に伝えることで、子供は「してはいけない理由」を理解して行動を改めることができます。
「走っちゃダメ」→「走ると転んで怪我をするかもしれないよ」
「大声を出さないで」→「大声を出すと周りの人がびっくりして困っちゃうよ」
叱るときはやってはいけない理由を明確に伝えましょう。
発達障害がある子供が理解できない表現を避ける
発達障害の子供にとって、比喩表現や皮肉、曖昧な言葉は伝わりにくいことがあります。
そのため、子供が理解できなさそうな表現は避ける必要があります。
例えば下記のように、曖昧な表現を避けることで子供は理解をしやすくなります。
「空気を読みなさい」→「周りの人はみんな静かにしているから、私たちも静かにしようね」
「そんなことをしたらみんなに笑われるよ」→「それは恥ずかしい行動だから、今はしません」
発達障害の子供が理解できない表現は避けて、直接的な言葉で指示をしましょう。
発達障害を持つ子供が成長するための効果的な叱り方とは?
叱る行為は、子供を成長させるために必要不可欠なことです。
ただ叱って注意を与えるだけでなく、子供の成長を実感できる方法で叱ってあげることが重要になってきます。
ここでは、発達障害の子供が成長するための効果的な叱り方について紹介します。
効果的な叱り方のポイントは、以下の3つです。
- 子供にも考えさせる
- 感情的にならずに論理的に説明する
- 視覚も活用して叱る
詳しくみていきましょう。
子供にも考えさせる
発達障害があっても、自分で考え、判断する力を育むことは大切です。
叱るときには一方的に指示を出すだけではなく、子供にも考えさせてみましょう。
例えば、下記のように問いかけをしてみましょう。
「ご飯の時間に遊んでいるとどんな問題が起きると思う?」
「どうしてここで走ってはいけないと思う?」
その際、下記のようにヒントや答えやすい質問を繰り返すなどしてサポートをしてあげてください。
「みんなが待たないといけなくなるよね。それはどう思う?」
「走るとぶつかっちゃうよね。そうなるとどんな気持ち?」
自分で考える経験を重ねることで、子供の社会性は徐々に育まれていきます。
サポートしながらゆっくりでいいので、子供にも考えさせましょう。
感情的にならずに論理的に説明する
感情的に怒ると、子供は親や先生の感情に圧倒されて萎縮してしまったり、パニックになったりします。
そうなると、本来伝えたいメッセージや思いが子供に伝わらないので、子供は次も同じ場面で同じ過ちをしてしまうでしょう。
大人が落ち着いて接することで、子供も落ち着いて指示を聞けるようになります。
例えば下記のように、論理的に問いかけてみましょう。
「これが間違っていたのはなぜか」
「次にどのように行動するべきなのか」
子供は落ち着いて指示を聞くことで、自分自身の行動を振り返りやすくなります。
叱る際には、気持ちをまず落ち着かせてできるだけ冷静に、論理的に説明することを心がけましょう。
視覚も活用して叱る
発達障害の子供は、視覚的な情報があると話の意味を理解しやすい傾向があります。
叱る時にも、視覚的な補助を活用することでより指示が通りやすくなります。
例えば、下記のような方法が効果的です。
- 失敗しやすい行動のルールをイラストや写真で示す
- 「怒っている」「笑っている」などの感情カードで、今は怒っているのだと伝える
- 声の大きさを示すカードを見せる
また、叱った後に行動が改善された場合はシールを貼るなどすると、子供は達成感を覚えます。
すると次の行動も気をつけるなどして成長にもつながります。
叱る際には視覚的なものをどんどん活用していきましょう。
発達障害の子供を叱るときの注意点!つい言いがちなNGフレーズ
叱る時につい何気なく使ってしまう言葉が、発達障害の子供にとっては不安や混乱の原因になることがあります。
ここでは、つい言いがちなNGフレーズについて紹介します。
NGフレーズは以下の3つです。
- 名前だけ呼ぶ
- 「なんで?」と聞く
- 「すご〜い!」と褒める
詳しくみていきましょう。
名前だけ呼ぶ
子供の名前を大きな声で呼ぶだけでは、「何が悪いのか」「何をすれば良いのか」が伝わらないためNGです。
また、急に自分の名前を怒ったように呼ばれると、子供は不安や恐怖を感じてしまいます。
「〇〇君、次はこうしようね」
と、名前だけでなく温かい言葉で具体的に話をしましょう。
「なんで?」と聞く
「なんでそんなことしたの?」のような問いかけは、発達障害の子供にとってはどう答えていいのか分からなく混乱してしまうことがあるためNGです。
また、責められていると感じ不安を強くさせてしまいます。
子供の気持ちに寄り添った問いかけを心がけてください。
例えば「なんでお友達を叩いたの?」という問いに対して子供が「嫌だったから」と答えたら、「嫌な気持ちがしたの?どうして嫌な気持ちになったのかな?お友達は叩かれて痛いよね。」のように一旦気持ちを受け止めてから行動を振り返るのがおすすめです。
このように対応することで、子供は落ち着いて話せるようになります。
一方的に「なんで?」と責めずに、子供の気持ちにまずは寄り添ってから行動の改善を促しましょう。
「すご〜い!」と褒める
叱った後に行動が改善された場合は必ず褒めることが大切です。
しかし、ただただ大袈裟に「すご〜い!」と褒めるのはNGです。
子供は「すご〜い!」とだけ褒められても、具体的に何が良かったのか分からず喜べません。
そのため次の行動や自信につながらないため、効果的ではありません。
「椅子に座って最後まで話が聞けたね!集中ができていて良かったよ!」
のように具体的な褒め方をすることで、次回も良い行動を繰り返すことができます。
漠然と大袈裟にただ褒めるのではなく、具体的に良かった行動を褒めてあげましょう。
まとめ
発達障害の子供との関わりで最も大切なのは、その子の心に寄り添って成長を促していくことです。
叱ることは、決して単なる注意だけでなく、子供の心を育み、自己肯定感を高める大切な行為です。
その日その時の、子供に合った方法を選んで効果的な叱り方を探してみてください。
ここまで挙げてきたたくさんのポイントをぜひ実践して、発達障害の子供の心を育んでいきましょう。
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