子育ては大変なことも多く、つい感情的になって怒ってしまう大人は多いものです。
とはいえ、怒鳴ると子供の脳を萎縮させてしまうことも。
本記事では、子供を怒鳴ると脳が萎縮する理由と傷ついた子供の脳を回復させる方法について紹介します。
もし子供の脳が萎縮したらと不安になっている方や、子供の脳の萎縮を心配している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
子供を怒鳴ると脳が萎縮するって本当!
子供を怒鳴ると、脳が萎縮するのはどうしてなのでしょうか?
子供の脳を傷つけてしまう理由は、主に2つあります。
- 暴言によっておこる聴覚野の肥大
- 厳格な体罰によっておこる前頭前野の萎縮
それぞれ、詳しく説明します。
(参考サイト:日本心理学会)
(参考サイト:J-STAGE/日本ペインクリニック学会誌/27 巻 (2020) 1 号/書誌)
暴言によっておこる聴覚野の肥大
子供を怒鳴ると暴言によってストレスを感じ、聴覚野が肥大して脳が萎縮すると言われています。
聴覚野とは、耳からの情報を処理して言語理解を深める場所です。
脳科学の研究によって、暴言が脳に悪影響を及ぼすと分かっています。
たとえば、子供に対しての「生まれてこなければよかったのに」なども暴言になり、子供のコミュニケーション能力に影響することも。
子供への暴言によって脳を変形させてしまう可能性があるため、言葉選びや口調には気をつけましょう。
厳格な体罰によっておこる前頭前野の萎縮
子供への厳格な体罰は、前頭前野の萎縮を引き起こす可能性があります。
前頭前野は、感情や思考、行動をコントロールする場所です。
体罰によってストレスを過剰に感じ、前頭前野に悪影響を与える可能性があると分かっています。
たとえば、頬への平手打ちやお尻を叩くことはしつけではなく体罰にあたり、脳がダメージを負うことも。
ダメージによって、集中力や意思決定能力が低下することもあります。
子供への体罰が行動や精神面で悪影響になると考えられるため、しつけであっても体罰はやめましょう。
子供の脳を萎縮させる『マルトリートメント』とは
子供の脳を萎縮させる『マルトリートメント』とは、どのような行為でしょうか?
『マルトリートメント』とは避けるべき子育てを意味し、子育てで避けたい行為は、主に4つあります。
- 感情的に子供を怒鳴る・叩く
- 親の気分で子供への態度を変える
- SNSばかり見て子供とコミュニケーションをとらない
- 子供の前で夫婦喧嘩をする
それぞれ、順番に詳しく説明します。
(参照元:子どもがすこやかに育つ 虐待のない社会を実現するために)
感情的に子供を怒鳴る・叩く
子供の脳を萎縮させるマルトリートメントには、感情的に子供を怒鳴ったり叩いたりする行為があります。
親が感情的に子供を怒鳴る・叩くなどの行動をすると、子供の心は傷ついてしまうのです。
幼少時代の筆者は、父の怒鳴り声が怖くて仕方がありませんでした。
自身の体験から、子供は心を閉ざし、感情を出したり意見を言ったりできなくなることも考えられます。
行為の強弱や理由、傷つける意思の有無には関係がありません。
子供が傷つく行為は、すべてマルトリートメントにあたります。
親の気分で子供への態度を変える
子供の脳を萎縮させるマルトリートメントには、親の気分で子供への態度を変える行為が含まれます。
なぜなら、子供への態度が一貫していないと子供は不安定な精神状態になりがちだからです。
たとえば、親の顔色を伺うようになり、子供の感情や行動が混乱します。
幼少期の筆者は、母の気分や状況で態度が変わるため、母の言動に振り回されて疲れていました。
信頼関係が築きにくくなってしまうので、気分によって態度を変えるのではなく、一貫性を保つことが大切です。
SNSばかり見て子供とコミュニケーションをとらない
スマホなどでSNSばかりを見て子供とコミュニケーションをとらないのは、子供の脳を萎縮させるマルトリートメントにあたる可能性があります。
子供の発達に関して、親とのコミュニケーションは重要な役割があるからです。
SNSに時間を奪われて親子の交流が減り、子供との絆が弱くなってしまうことも。
コミュニケーション不足から親が子供の感情や思考を理解しづらくなったり、子供が精神的に不安定になったりするケースもあります。
子供の成長はあっという間なので、子供とのコミュニケーションは心から楽しみたいものですね。
子供の前で夫婦喧嘩をする
子供の脳を萎縮させるマルトリートメントは、子供の前での夫婦喧嘩も含まれると考えられます。
子供の前で夫婦喧嘩をすると、子供は不安になってストレスを感じることが多いです。
場合によっては、自分のせいだと自分を責めてしまう場合もあります。
筆者の幼少時代、両親はよく夫婦喧嘩をしていたため、家の中で居心地の悪さを感じていました。
両親にとっては、喧嘩ではなく日常の話し合いなのだとか。
親は無自覚でも、子供にとって有害になる場合、マルトリートメントとみなされます。
子供の前では喧嘩を避けて、冷静なコミュニケーションを心がけましょう。
傷ついた子供の脳を回復させる方法
もう傷ついてしまった子供の脳を回復させるには、どうすればよ良いのでしょうか?
脳の回復に有効な方法は、主に4つあります。
- 子供とスキンシップをとる
- 子供を意識的にほめる
- 子供の前で夫婦喧嘩をしたら仲直りする姿も見せる
- 子供を傷つけた行為を繰り返さない・すぐにフォローする
それぞれ、詳しく説明します。
子供とスキンシップをとる
傷ついた子供の脳を回復させるために、子供とスキンシップをとることはとても大切です。
なぜなら、愛情ホルモンであるオキシトシンが分泌されるからです。
オキシトシンの分泌が促されることにより、親子の絆を深めたりストレスへの耐性が強くなったりします。
子供とのスキンシップは、親の愛情を伝え子供の心を癒し、脳を回復させる手段です。
子供を意識的にほめる
傷ついた子供の脳を回復させるため、子供を意識的にほめることは効果的な方法です。
ほめると自尊心や自己肯定感を高め、子供のポジティブな自己イメージを育むのに役立ちます。
具体的な行動や努力過程をほめれば、子供は自分の成長や成功を認識しやすいでしょう。
子供が自信を持てるようになれば、脳の回復にも好影響を与えるのです。
子供の前で夫婦喧嘩をしたら仲直りする姿も見せる
傷ついた子供の脳を回復させるには、子供の前で夫婦喧嘩をしたら仲直りする姿も見せると効果的です。
夫婦喧嘩が終わったことを知れば、子供は安心感を取り戻します。
また、仲直りのプロセスを見せることで、対人関係スキルを育めることも。
上辺だけの仲直りは無意味なので、感情的にならず落ち着いて、子供が安心できるよう配慮しましょう。
子供を傷つけた行為を繰り返さない・すぐにフォローする
子供を傷つけた行為を繰り返さず、すぐにフォローすることは、傷ついた子供の脳を回復させるために効果的な方法です。
過ちを繰り返さないようにすれば、子供の安心と信頼を取り戻せるようになります。
しかしながら、子供を傷つけて謝るという同じ行動を繰り返していると、子供からの信頼を失ってしまいがちです。
子供からの信頼を得て、子供が安心できる環境を整えるためにも子供を傷つけた行為を繰り返さないようにしましょう。
まとめ
子育ては大変なことも多く、つい感情的になってしまう親は少なくありません。
しかし、子供を怒鳴ることで脳を萎縮させてしまうと困ってしまいますよね。
実は、子供の脳が傷ついて萎縮しても、改善につながる効果的な方法があります。
本記事では、子供を怒鳴ると脳が萎縮する理由と傷ついた子供の脳を回復させる方法について紹介しました。
子供の脳が萎縮したらと不安になっている方や、子供の脳の萎縮を改善させたいと考えている方は、ぜひ取り組んでみてくださいね。
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