快適な生活に欠かせないエアコンですが、フィルターの掃除はおろそかになりがちです。
フィルターは自分で掃除できますが、プロの清掃業者に頼む方が良い場合もあります。
本記事ではエアコン取付業者の夫とともに、一夏に100台以上のエアコン工事を手伝っている主婦がフィルター清掃の目安と方法について解説します。
エアコンのフィルターを定期的に掃除すべき理由
そもそも、なぜエアコンのフィルターを掃除する必要があるのでしょうか。
エアコンのフィルター掃除が必要な理由は、主に3つあります。
- 冷気・暖気が回りづらくなるから
- 効率が下がり電気代が上がるから
- ホコリが舞うから
一つずつ解説していきます。
冷気・暖気が回りづらくなるから
エアコンのフィルターを掃除せずにいると、冷気や暖気が回りづらくなり、空調効果が低下してしまいます。
なぜなら、フィルターに溜まったホコリやゴミがエアコンの機能性を低下させてしまうからです。
フィルターが汚れるにつれて空調効果はどんどん下がり、そのたびに風量を上げたり設定温度を必要以上に強く設定したりして、エアコン本体に余計な負荷をかけたり、電気料金を圧迫したりする可能性があります。
効率が下がり電気代が上がるから
フィルターを掃除しないまま使用を続けると、電気代やエアコンの効き具合に影響が出てくる可能性があります。
なぜなら、フィルターが汚れて目詰まりすると、エアコンは空気を回すために無駄な電力を使用するようになるからです。
当然ながら、その無駄な電力は電気代に影響し、エアコンの効きも悪くなります。
さらにそのまま使用すれば、本体からの水漏れや大きな故障の原因となり、さらに大きな出費になる可能性も…。
ホコリが舞うから
フィルターを掃除せず使用していると、ホコリやカビが室内に放出される可能性があります。
フィルターが汚れていると、フィルターではホコリの侵入が防げず、エアコン内部に蓄積されていくのです。
そもそも、エアコンフィルターはエアコン内部へのホコリの侵入を全て防げるわけではありません。
たとえフィルターが綺麗な状態でも、少しずつホコリや汚れは侵入し蓄積されていきます。
ましてや、フィルターが汚れていればエアコン内部の汚れはどんどん蓄積され、そこにカビが繁殖する原因となってしまうのです。
さらに、見えないホコリやカビが室内に放出され、アレルギーや病気の原因になる可能性もあります。
自分でエアコンフィルターを掃除する方法
基本的にエアコンのフィルターは自分で清掃できます。
また、最近ではフィルターの自動お掃除機能がついたエアコンも多いです。
ただし、お掃除機能がついていてもフィルターは汚れるので、お掃除が必要です。
どのエアコンでもフィルターの掃除方法は同じです。
筆者が自宅でやっている簡単なフィルター掃除の方法をご紹介します。
用意するもの
エアコンフィルターを掃除する際は、以下を用意してください。
- 軍手やゴム手袋(必要な方は着けてください)
- マスク(ホコリが舞うので着けるのがオススメ)
- 脚立や椅子(エアコンの上側が見える高さになるものが望ましい)
- 掃除機(掃除機の先は極細ノズルや隙間ノズルがあればなお便利)
- タオル
手順① 本体前面のパネルを開ける
まずはエアコン本体のコンセントを抜き、エアコン前面のパネルを開けます。
パネルは両サイドを持ち上げると簡単に開けることができます。
パネルを外せる場合は、外してしまう方が掃除しやすいので外してしまいましょう。
開け方、外し方は各説明書を確認してください。
手順② 掃除機でホコリを吸い取る
見えている範囲で、掃除機で吸えそうな大きなホコリを吸い取っておきます。
掃除機の先を、強い力でエアコンに当てないように注意してください。
手順③ フィルターを外す
フィルターを外します。
外し方は説明書を確認してください。
自動お掃除機能付きのエアコンの場合は、フィルターを外す前にダストボックスを外す必要があります。
フィルターはとても薄くて細かい網でできているので、優しく扱ってくださいね。
手順④ フィルターを洗う
フィルターにシャワーを掛けて汚れをとります。
シャワー洗浄の際は、必ずフィルターの裏側からシャワーを掛けましょう。
フィルターの汚れは主に表側に溜まっています。
裏側からシャワーすると、汚れがきれいに落ちやすいのです。
綺麗に洗ったフィルターは、風通しの良い日陰で乾燥させましょう。
手順⑤ エアコン本体を掃除する
フィルターを乾燥させている間に、エアコン本体内部を掃除していきます。
フィルターを外した中には銀色のアルミフィンがあります。
アルミフィンは熱交換器の役割をする大切な部分で、とても繊細です。
掃除機を直接当ててしまうと、傷つけてしまったり曲がってしまう可能性があります。
フィンには直接触れずに掃除機で吸うくらいにしましょう。
また、機種によってはエアコン上部にもアルミフィンが見えており、ホコリが溜まっています。
触れずに吸い取れるホコリは、掃除機で吸い取っておきましょう。
手順⑥ フィルターを戻す
フィルターが乾いたら、フィルターを戻してお掃除完了です。
油汚れがひどいエアコンフィルターを掃除する方法
キッチンの近くにあるエアコンは、どうしても油汚れがひどくなりがちです。
タバコを吸う家や、ペットのいる家も汚れがひどいことが多いですね。
そこで、油汚れの酷いエアコンフィルターを掃除する方法もご紹介します。
手順①~手順③までは上記のフィルターを掃除する方法と同じです。
用意するもの
- 軍手やゴム手袋(必要な方は着けてください)
- マスク(ホコリが舞うので着けるのがオススメ)
- 脚立や椅子(エアコンの上側が見える高さになるものが望ましい)
- 掃除機(掃除機の先は極細ノズルや隙間ノズルがあればなお便利)
- タオル
- 古ハブラシや網戸用ブラシ等
- 台所用中性洗剤
手順①
エアコン本体のコンセントを抜き、パネルを開けます。
手順②
掃除機でホコリを掃除します。
手順③
フィルターを外します。
手順④
フィルターにシャワーを掛けて汚れをとります。
大まかなホコリが取れたら、バケツ等に台所用中性洗剤を入れてぬるま湯で薄めましょう。
洗剤液にフィルターをつけ置きしておきます。
その後、ぬるま湯と古歯ブラシなどで優しくこすりながら汚れを落としてください。
綺麗になったら、風通しの良い日陰で乾かします。
手順⑤
フィルターを乾燥させている間に、エアコン本体内部を掃除します。
油汚れがついている部分はぬるま湯で優しく拭いてください。
フィルターを外した中には銀色のアルミフィンがあります。
アルミフィンが変形したり損傷したりしないよう、掃除機で直接触らずに優しく掃除しましょう。
手順⑥
フィルターが乾いたら、フィルターを戻してお掃除完了です。
エアコンフィルターの掃除は自分でするのとプロに頼むのどちらがいい?
エアコンフィルターは自分で掃除することができますが、フィルターより内部はプロのエアコン清掃業者にお願いするのがおすすめです。
なぜならプロの清掃業者は、フィルターよりもっと奥のエアコン内部まで清掃してくれるからです。
ここでは、自分で掃除をするだけでも良い場合とプロに頼んだ方がいい場合、それぞれの判断目安を解説します。
自分で掃除しても良い場合
自分でフィルター清掃をするだけで良い場合は以下のとおりです。
- まだ購入から一年以内
- エアコンから出る風が臭くない
- 内部にカビが一切ない
このような場合は、ご自分でフィルターの掃除をするだけで大丈夫でしょう。
プロに頼んだ方が良い場合
プロに頼んだ方が良い目安は以下の通りです。
- エアコンから出る風がカビ臭い
- 送風ファンに黒いカビが見えている
- アルミフィンが明らかに汚れている
- エアコン内部がなんだか黒い
- フィルターを清掃しても汚れが取れない程汚れている
- 購入から3年以上経過している
このような場合は、エアコン内部がカビだらけになっている可能性があります。
プロのエアコン清掃業者に依頼すると、自分では清掃できない部分まで分解してきれいにしてくれます。
我が家はエアコン取付のプロですが、エアコン清掃のプロではないため、清掃は必ずプロの業者にお願いしています。
とてもきれいになるのでおすすめです。
まとめ
エアコンのフィルター清掃は、エアコンの機能を十分に活かすためにとても重要な作業です。
フィルターだけなら、本記事を読みながらご自分で掃除できるでしょう。
しかし、エアコン工事をしていると、年に何度か「自分でエアコン清掃をしようと分解したが壊れてしまった」というお客様に出会います。
フィルター以外の部分は故障につながりますので、自分では触らず、エアコン清掃のプロに任せるのがおすすめです。
本記事では自分で行うエアコンフィルターの清掃方法や、プロの清掃業者にお願いするべき目安を紹介しました。
フィルター掃除を自分でするか、プロの清掃業者に依頼するか迷っている方は参考にしてくださいね。
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