昨今は「〇〇活」という言葉をよく聞くようになりましたが「終活」もその一つですね。
ただ終活は、人生の終わりが見え始めてからや高齢になってから行うものという考えが無意識にあるのではないでしょうか。
ですが「始まり」があれば「終わり」があります。
「終わり」を考えることによって「今」が見えてきます。
できれば避けたい、先延ばしにしたい気持ちもよくわかりますが、一度改めて考えてみませんか?
本記事では、終活を始める際のやることリスト10項目と3つのポイントを解説します。
終活を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
【終活は何から始める?】やることリスト10項目
「いざ終活を始めよう!」と思った時、まず何から始めるか思い浮かびますか?
終活には主に以下の10項目があります。
・エンディングノートを作成する
・資産の整理・管理をする
・遺言書を作成する
・不用品を片付ける
・葬儀やお墓の準備をする
・医療・介護方針の決定をする
・デジタルデータの整理をする
・住まいの見直しをする
・友人リストを作成する
・今後やりたいことを考える
それぞれ詳しく説明します。
エンディングノートを作成する
終活を始める際はまず、エンディングノートの作成から行うのがおすすめです。
エンディングノートとは、万が一の時に備えて自分の情報や資産、最期の時の希望などを残しておくためのものです。
自分の死後、残された家族が困らないように、自身の希望や家族への想いを伝えることができます。
終活と同様、エンディングノートという言葉もよく聞くようになりました。
書店や文房具店などでも販売されているので、好みに合うものがあるか見てみることから始めても良いですね。
資産の整理・管理をする
資産と聞いてまず思い浮かぶのは預貯金です。
他にも不動産や保険、株や投資信託、人によっては仮想通貨などのデジタル通貨をお持ちの方もいるでしょう。
整理・管理の取り扱いは本人のみに限らず、後見人制度を利用する方もいます。
後見人制度は、将来自分が認知症などによって判断能力が低下した人をサポートする制度です。
万が一の場合に備えるためには、自分が利用できる制度などを調べる時間と労力が必要です。
特に行政手続きや銀行などの内容は、難しくてわかりにくいと感じることが多いと思いますが、少しずつ取り組んでいきましょう。
遺言書を作成する
遺言書なんて遺産相続の争いを避けるためにお金持ちの資産家が作るもので、大きな資産を持たない自分には関係ないと思うかもしれません。
ですが金銭面のことだけではなく、自分の意思表明のためにも遺言書の作成を行いましょう。
大変悲しいことに人はお金が絡むと、醜い争いに発展することが多々あります。
残される家族に、無益な争いなどしてほしくなければ、元気なうちに遺言書を作成しておくのがおすすめです。
不用品を片付ける
不用品を片付けることも立派な終活です。
今、部屋の中を軽く見渡してみてください。
日常生活の風景の一部としてすっかり見慣れてしまって普段は何も感じないかもしれませんが、よくよく見てみたらこれはもういらないな、と思う物がありませんか?
近年は断捨離も流行っています。
まずは目についた小さな不用品一つの処分から始めましょう。
葬儀やお墓の準備をする
葬儀やお墓の準備には時間がかかるので、早めに取り掛かるようにしましょう。
葬儀もお墓も、ひと昔前に比べたら、選択肢も多種多様に増えました。
自身の葬儀にお金をかけてほしくない、親近者だけで見送ってほしい、家族葬を望む人も増えています。
またお墓は都会や地方都市や田舎など、住んでいる地域や自身の家系によって新たに準備が必要な人もいれば、すでにあるお墓に入ると決めている人と様々あると思います。
そもそもお墓に入ることに拘らず、樹木葬や散骨を希望する人もいるでしょう。
様々な種類を検討して、自身の考えに合ったものを検討しましょう。
医療・介護方針の決定をする
あまり想像したくないことだとは思いますが、急な病気や事故等で自分が喋れなくなる事態に備えて、あらかじめ医療や介護の方針を決めておくのがおすすめです。
意識がなくなり意思疎通できない状態になってしまっては、伝える術がありません。
医療が発達した分、現在は延命治療など高度な医療を受けることができます。
ですが命に係わることであるからこそ、一度決めた方針を簡単に取り止めることも難しくなりました。
望まない医療を受けることは、自分も家族も辛いはず。
自分がどうしてほしいか、よく考えてみましょう。
デジタルデータの整理をする
デジタルデータを整理しておくことも重要な終活です。
現代ではスマホやタブレット、パソコンを所有していないという人は少数派ではないでしょうか。
普通に使用していても、たまにパスワードがわからなくなってロック解除ができない、という話はよく聞きます。
大切な個人情報に関わることですので、無闇に人に教えることが出来るものでもありません。
そこでまずは、所有するデータの数そのものを少なくすることから考えてみましょう。
数が少なくなれば、管理もしやすくなります。
住まいの見直しをする
持ち家か賃貸かによって、終活の見通しも変わります。
持ち家ならば老朽化など現在の住まいがどのような状態か。
賃貸ならば今後年齢を重ねた時にこのまま住み続けられるのか、自分がいなくなった後、処理をどうしてもらうのか。
住まいの処分は手間もコストも大きいので、解決までに時間がかかります。
生活に余裕があるうちに少しずつ見直しを始めましょう。
友人リストを作成する
交友関係は家族間であっても、お互いによく知らないという人が多いのではないでしょうか。
自分に万が一のことがあった場合、この人に知らせてくれれば他の友人にも知らせてもらえる、という親しい友人がいませんか?
親しい友人が1人でもわかることで、家族の心の負担も軽くなります。
今後やりたいことを考える
終活を始めて諸々の整理をして身も心もいくらか軽くなったら、これまでの人生を振り返って、改めて今後やりたいことを考えてみましょう。
今まで毎日、一生懸命生きてきましたよね。
喜びや悲しみなど一言では片づけられないと思います。
楽しかったこと、嬉しかったこと、頑張ったこと、辛かったこと、大変だったこと。
これまでの経験を通して自分がやってみたいと改めて思ったことを、今まで頑張ってきた自分へのご褒美にやってみませんか?
終活を始める上での3つのポイントとは?
ここまで、やることリスト10項目を説明しました。
「やることもわかったし、よし、始めよう!」という時に、以下の3つのポイントがあります。
・元気なうちに始める
・ルールに縛られないようにする
・家族と情報を共有する
それぞれ詳しく説明します。
元気なうちに始める
大きな怪我や病気もなく毎日変わりない日常生活を過ごせていると、これからも今までと変わらず過ごせるように感じてしまいます。
ですが、20代30代の頃には感じなかった体力の低下など、確実に身体の変化は起こっています。
これから先の残りの人生の中で、今日が一番若い日です。
思い立った「今」が始め時です。
ルールに縛られないようにする
終活に限らず、何か行動を起こす際「普通はこう」という考え方に、無意識に縛られていませんか?
ですが「普通」とは何でしょう?
他の誰でもない、あなた自身のための準備です。
周囲の人に迷惑をかけないようにという気遣いは素晴らしいことですが 、終活はあなた自身のためであり、残される周囲の人のためにもなるのです。
自分が心から納得する選択をしましょう。
家族と情報を共有する
どれだけ入念に準備をしていても、そのことを家族が知らなければ、自身の希望も叶わぬことになりかねません。
筆者の叔父が急逝した際、 叔父は自分の葬儀の希望や知人への連絡などの準備をしていたにも関わらず、 その内容を家族に伝えていませんでした。
そのため、遺影の写真や火葬の際に入れて欲しいもの、連絡してほしい人などが分からず、結局その内容を記したノートが出てきたのは初七日の法要を終えた後でした。
せっかくならば、家族の負担にならない範囲で可能な限り、希望を叶えてもらいたいですよね。
終活した事実は、できるだけ家族と共有するといいでしょう。
まとめ
以上、終活を始めるためのやることリスト10項目と3つのポイントを解説しました。
終活と聞くと人生の終わりを考える様で、暗い気持ちになる人もいるかもしれません。
ですが、これまで一生懸命生きてきた自分の軌跡を改めて見直す良い機会でもあると思います。
わかっているようで、実はあまりよくわかっていなかった自分の姿が見えてくるかもしれません。
これからも日々の生活を送っていれば、周りも自分の考え方にも何かしら変化があって当然です。
定期的に見直すことも忘れずに、終活を始めて身も心も軽い穏やかな生活を送ってくださることを願っています。
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