「私はこれからの老後、何歳まで働けるんだろう?」
そんな時、年齢のことを考えると働き口があるのか分からないし、不安ですよね。
本記事では、定年後も働くメリット・デメリットとシニアの就労事情を、今後定年を迎える筆者が紹介します。
定年後もまだまだ働くぞという方は参考にしてくださいね。
定年して老後の人生が始まるのはいつから?
定年して老後の人生が始まるのは65歳からと考える人が多い傾向にあります。
従来は定年を60歳とする企業がほとんどでしたが、政府が2013年に65歳までの雇用確保を義務づけたことで、希望すれば65歳まで働けるからです。
また、老後の安定収入の公的年金も、受給できるのは原則65歳からなので、60歳で定年退職すると受給開始まで5年待つことになります。
60歳で繰り上げ受給をすると、本来の年金額より24%の減額になってしまうことも頭に入れておきましょう。
このように、65歳まで雇用が確保されていることや年金受給開始の年齢を考えると、一般的に老後の人生が始まるのは65歳だといえます。
老後に働くメリット
老後に働くメリットは4つあります。
- 老後の資金が足りない事態を防ぎやすくなる
- 生きがいを感じられる
- 社会との繋がりを保てる
- 病気の予防につながる
詳しく説明します。
老後の資金が足りない事態を防ぎやすくなる
老後に働くと、老後の資金が足りない事態を防ぎやすくなるのがメリットです。
定年前に老後資金を十分に備えていても、定年後の年金生活において破産状態に陥り生活に困窮してしまうことがあります。
定年前の収入や定年後の年金額に関係なく、破産状態に陥ってしまうことを老後破産といい、決して他人事ではありません。
たとえば定年後も70歳まで働き、厚生年金に加入し受給時期をくり下げると、年金額を増やせるメリットもあるのです。
こうして老後に働くと、資金不足を防げる可能性があるので、老後の年金生活を安心して過ごすためにも、早めの対策を取りましょう。
生きがいを感じられる
老後に働くことは、第二の人生で生きがいを感じられるとてもいいことです。
定年を迎えていきなり引退では、今後の人生の張り合いもなくなってしまいます。
筆者の父親は、正規雇用から嘱託雇用を経て仕事を引退しました。
それからは家の近くの菩提寺で、朝早くからお寺の庭の手入れなどの環境整備を、体調を崩す頃までやっていたのです。
ボランティアではありましたが、元々世話好きの父親でお寺の方に感謝されながら毎日楽しそうでしたので、とても良かったと思っています。
仕事をすることで誰かの役に立てると生きがいを実感しやすいので、定年退職後も仕事は続けたいですね。
社会との繋がりを保てる
社会との繋がりを保てるというメリットがあるので、老後もぜひ働くことをおすすめします。
定年退職後に社会との繋がりを保つには、趣味などのコミュニティに属さない限りなかなか難しいでしょう。
筆者の実家では昔履物屋をしていました。
母親がひとりで細々とやっていましたが、少しの収入とお客さんとの会話もあったので、母親にはとても向いていた商売だったのです。
しかし、家の新築を機に店は廃業してしまい、特に趣味もない母親は社会との繋がりを保てなくなりました。
以後の母親の様子は少し元気がなくなった気がします。
社会との繋がりは本当に大事なので、定年で老後だからと臆することなく、働いてみましょう。
病気の予防につながる
老後も働いていると、病気の予防につながるのもメリットです。
働くことで規則的な生活になり、他者とコミュニケーションを取ることで認知症予防にもなるからです。
さらに企業に所属していれば、定期的に健康診断を受けられるため、病気の予防や早期発見も可能になるでしょう。
身体精神機能が低下すると病気になりやすくなるため、仕事をしながら健康に老後の生活を送りたいですね。
老後に働くデメリット
老後に働くデメリットもあるため把握しておきましょう。
定年後に働いた場合、将来受け取れる年金額を増やせますが、一方で収入が増えすぎると年金支給額が少なくなるのもデメリットです。
在職老齢年金といって、厚生年金に加入している人は老齢・厚生年金の額と給与や賞与の枠に応じて、年金の一部もしくは全額が支給停止となる場合があります。
どの程度の収入で年金支給が減るかなどを、確認しておく必要があります。
何歳まで働く?世界と日本の老後の就労事情
何歳まで働けるのか、世界と日本の老後の就労事情を見ていきましょう。
- 世界各国の定年・退職年齢比較
- 日本における老後の就労実態
詳しく説明します。
世界各国の定年・退職年齢比較
世界各国の定年・退職年齢はどのようになっているのかを比較してみましょう。
まず、アジア諸国は日本と同じく定年退職の習慣があります。
- 中国:
定年制がありますが、性別や身分で年齢は異なる。男性60歳、女性の幹部は55歳、労働者は50歳。 - 韓国:
2017年に58歳から60歳に引き上げられた。実際多くの韓国人は50歳頃に退職する。 - シンガポール:
現時点で法定の定年年齢は62歳で再雇用の年齢の上限は67歳。
アメリカの場合はそもそも働くことに年齢は関係ないため、定年退職がありません。
“アメリカでは、使用者は雇い入れや労働条件などに関して、年齢を理由に差別することを禁止しています。
「60歳になったら会社を辞めてもらう内容の契約をする」といったことができないのです。”
出典:Morebiz/西東美智子
多くのヨーロッパ諸国では、日本と同様に年金受給開始年齢に関連付けられて、定年が決められているそうです。
年金支給開始年齢が定年という考え方が定着し、現在は概ね65歳となっています。
参考:シニア活用.com/上野佳恵
日本における老後の就労実態
日本における老後の就労実態はというと、時代とともに高齢の労働者の環境は変化し、60歳で定年退職する人は少数派となりました。
多くの企業が高齢者雇用の試みを行い、定年年齢の引き上げなどで高齢者の労働環境が整いつつあるのです。
高齢者の主な就業理由は経済上の理由が最も高く、長期的に上昇傾向にあります。
70代で働く年金世代は年々増えて、定年後は家でのんびりという時代ではすでにないのです。
老後の働き方の選択肢
老後の働き方の選択肢は主に3つあります。
- パートタイムで働く
- フリーランスとして働く
- 趣味を仕事にする
詳しく説明します。
パートタイムで働く
老後の働き方として、パートタイムで働く方法があります。
パートタイム労働者は、フルタイムの正社員に比べて労働時間が短く、体力的な負担が少ないため、定年退職後のシニア世代からも大人気です。
働く曜日や時間帯を、自分の都合に合わせられるので、自分の時間を確保できて働きやすいのが最大のメリットです。
フリーランスとして働く
老後は、フリーランスとして働く方法もあります。
事業者と業務委託契約を結び、個人として仕事を請け負う働き方です。
企業に雇われないという点がパートタイム労働者とは異なり、定年を気にする必要がないのが魅力です。
ただ、フリーランスなら無理のない範囲で継続的に仕事ができる一方、収入が不安定というデメリットもあります。
フリーランスの働き方をする場合は、よく検討してから行動することをおすすめします。
趣味を仕事にする
老後の働き方には、趣味を仕事にする方法もあるので見ていきましょう。
定年後には、得意なことや趣味を極めて仕事にすることも可能なのです。
モノづくりを楽しむ人が増えており、近年ではインターネット上で自分の作品を収益につなげるシニアも少なくありません。
ペットを飼っているなら、ペットシッターなどの得意分野で収入を得ることもできます。
定年後は恵まれた時間を生かして、自分だけの働き方で、趣味を仕事にすることも選択肢にいれておくといいですね。
まとめ
定年を迎えてからも働く人が増えたとはいえ、パートタイム労働者でも定年があるかもしれないし、今後の生活もあるので不安になってしまいます。
でも働くことで生きがいを感じられ、社会とのつながりを持っていられます。
病気の予防にもつながるし、働くことは本当に良いことずくめなのです。
本記事では、定年後の働き方を紹介してきました。
ぜひ本記事を参考に、定年後も元気で楽しく生活の不安のない人生を送ってくださいね。
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