「墓じまいに補助金って出るの?」
お墓の維持・管理が負担で墓じまいしたくても、費用を考えるとためらいますよね。
本記事では、墓じまいに補助金が出るのか、墓じまいに必要な費用や負担を減らす方法を解説します。
墓じまいを悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
墓じまいについて
墓じまいとは、「お墓を解体・撤去し、別の方法で供養すること」を言います。
墓じまいを始める前に知っておくべきことは以下の2つです。
- 墓じまいを行う理由
- 墓じまいに必要な費用
詳しく説明します。
墓じまいを行う理由
墓じまいを行う主な理由は以下の4つです。
- 生涯未婚率の上昇や少子化の影響で墓を継承する人がいない
- 墓が現在の居住地域から遠く離れていて、管理ができない
- 自分自身が高齢で墓の管理ができない
- 夫・妻両家の墓の管理の負担が大きい
これまで墓は子孫に受け継がれていくものでしたが、人の価値観や社会構造の変化などが原因で、子の世代に墓を継承することが難しくなっています。
そのため、将来的に子の負担にならないように考えたりして、墓じまいを選択する人が増えています。
墓じまいに必要な費用
墓じまいにはどのような費用が必要になるのでしょうか?
墓じまいには大きく分けて以下の3つの費用が必要です。
- 墓石等撤去やお寺へのお布施・離檀料を含む墓の撤去に関する費用
- 埋蔵証明書・受け入れ証明書・改葬許可証の行政手続きに関する費用
- 改葬先への費用・お布施など新しい納骨先に関する費用
全てを合わせると最低でも約30万円は必要で、多いと約300万円かかると言われます。
費用に差があるのは、お布施の金額や改葬先の費用にどれだけかかるかによるからです。
参照:お仏壇の長谷川
墓じまいの補助金について
墓じまいを始める前に補助金について、以下の2点を確認しておきましょう。
- 墓じまいに補助金が出る理由
- 墓じまいの補助金が出る自治体は少ないので確認が必要
詳しく説明するので、墓じまいの参考にしてくださいね。
墓じまいに補助金が出る理由
墓じまいに自治体からの補助金が出る理由は、無縁仏化を防ぐことにあります。
少子高齢化の影響で、先祖代々の墓を維持・管理できる人が少なくなったために、全国的に無縁仏が増えています。
また、墓じまいにかかる費用も安くないため、墓の管理者の生活を圧迫することも。
現在の墓を閉じ、永代供養や合祀墓に移行し、無縁仏をつくらないよう自治体が補助金をだすのです。
墓じまいの補助金が出る自治体は少ないので確認が必要
墓じまいの補助金が出る自治体は少ないので、墓じまいを始める前に確認が必要です。
墓じまいのための補助金を出す自治体は全国に広がっているものの、全ての自治体が制度を持っているわけではありません。
自治体によっては補助金を出す代わりに、改葬先の施設を無料で使えるなどの制度がある場合も。
現在のお墓のある自治体に墓じまいの補助金を出す制度があるか、補助金がない場合は代わりの制度があるかを、自治体のホームページや窓口で確認をしましょう。
墓じまいの補助金以外で費用負担を減らす方法
墓じまいの補助金以外で費用負担を減らす方法はあるのでしょうか?
以下の7つの方法を確認してみましょう。
- 墓石撤去を依頼する石材店は複数見積もる
- お寺に相談して離檀料を抑える
- メモリアルローンを利用する
- 親族に費用負担の協力を仰ぐ
- 改葬先を合祀墓にする
- 改葬先を手元供養にする
- 改葬先を散骨にする
詳しく説明します。
墓石撤去を依頼する石材店は複数見積もる
墓石撤去を依頼する石材店は、複数見積もるのが墓じまいの補助金以外で費用負担を減らす方法です。
お墓の撤去は石材店に依頼し、お墓のある立地や作業者が入っていけるかなどで撤去の費用が変わるからです。
墓じまいには決まった相場がないと言われているため、1社の見積もりでは費用が高いのか安いのかを判断できません。
墓石撤去には以下のような費用がかかります。
- 墓石撤去費用
- 基礎撤去費用
- 作業員人件費
- 墓石処分費用
- 重機の費用(必要に応じて)
複数の石材店から見積もりを取得した際に費用明細がちゃんと記載されているか確認しましょう。
お寺に相談して離檀料を抑える
墓じまいの補助金以外で費用負担を減らすために、お寺に離檀料を抑える相談をしましょう。
離檀料とは、正規の料金ではなく、先祖の供養をしていただいていたお寺への感謝をこめて包むものです。
はっきりとした相場が決まっているわけではありませんが、目安は1回の法要分とも言われています。
長年お世話になっていることを踏まえて、お寺に離檀料について相談をしましょう。
メモリアルローンを利用する
メモリアルローンを利用することも墓じまいの補助金以外で費用負担を減らす方法です。
墓じまいの費用を一括で支払わずに、毎月分割で費用を支払えるからです。
今まではお墓の維持・管理は親族で行っていましたが、最近では管理者が自分一人だったというケースも見受けられます。
管理者が一人の場合は、墓じまいに関わる費用の負担が非常に大きくなり、管理者の生活を圧迫することも。
葬儀等に使えるメモリアルローンを利用すれば、費用を月割で支払えるので負担は軽くなります。
メモリアルローンは他のローンに比べて、返済期間が長い・金利が安い・審査が短いなどが特徴です。
借金であることには変わりないので、十分検討したうえで利用しましょう。
親族に費用負担の協力を仰ぐ
親族に費用負担の協力を仰ぐことも墓じまいの補助金以外で費用負担を減らす方法です。
先祖代々のお墓の場合、墓の維持・管理には親族も関わってきます。
費用負担はもちろんのこと、本当に墓じまいをするのかも含めて親族と相談しましょう。
相談せずに墓じまいを決めると後々トラブルになることも。
特に費用面では、それぞれの金銭感覚からトラブルも多く発生するようです。
早いうちから相談し、文書に残しておくことでトラブルを減らせるだけでなく、費用負担の協力もしやすくなります。
改葬先を合祀墓にする
墓じまいの補助金以外で費用負担を減らすために改葬先を合祀墓にすることを検討しましょう。
合祀墓に改葬すると、普通のお墓のような維持費がかからず、永代供養にも向いているからです。
合祀墓とは他の人と合わせて祀るお墓のことで、墓じまい後の選択肢として合祀墓を選ぶ人が増えています。
合祀墓に納骨されるとその後取り出すことができなくなるため、個別のお墓をつくることができなくなります。
そのため、墓じまい後の改葬先が合祀墓でいいのかを親族ともよく検討しましょう。
改葬先を手元供養にする
改葬先を手元供養にすることで、墓じまいの補助金がなくても費用負担を減らせます。
改葬先を自宅を含めた手元に置くことで、墓の維持費などがかからずにすむからです。
手元供養をする場合は、主に2つの方法があります。
- 遺骨を自宅に安置する
- 身に着けられるように加工する
いずれの方法も手元で供養することで、お墓の維持・管理やお墓詣りなどが不要になります。
しかし、将来を考えるとずっと手元に置いておくことはできず、次の改葬先を考える必要も。
将来的なトラブルを防ぐため、手元供養にしたときに発行される改葬証明書などの証明書は捨てずに保管するようにしましょう。
改葬先を散骨にする
改葬先を散骨にすることも、墓じまいの補助金以外で費用負担を減らす方法です。
なぜなら、改葬先を散骨にすることで、法事やお布施などの費用がかからなくなるからです。
散骨は自然葬の一つで、海洋散骨・山間散骨・宇宙散骨・空中散骨などがあります。
散骨は遺族にとっては弔いの一つの形ではあっても、快く思わない人もいることに注意しましょう。
過去のトラブルから散骨に関する条例がある自治体もあります。
マナーを守ってトラブルが発生しないように散骨先を選びましょう。
まとめ
本記事では、墓じまいに補助金が出るのか、墓じまいに必要な費用や負担を減らす方法を解説しました。
お墓の維持・管理が負担で墓じまいしたくても、費用を考えるとためらいますよね。
次世代にお墓を任せるのを心苦しく思うことも。
墓じまいを悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
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